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臨床でも役立つ知識

CCS(クリニカル・クラーク・シップ)についてわかりやすく解説します。

投稿日:2019年4月27日 更新日:

CCS(クリニカル・クラークシップ)とは?

日本理学療法士協会が教育ガイドラインで示した、今後の臨床実習における教育形態です。

『診療参加型臨床実習』とも呼ばれます。

CCSの歴史は古く、すでに医師・歯科医師・薬剤師の学生教育では、一昔前から導入されている教育形態です。

CCSは卒後教育・新人教育に近いものとなっているため、学生時代からこれに触れておくことで、新人研修が円滑に進むということにも一役買っています。

CCSってどうやるの? ~実際は?~

診療参加型の臨床実習なので、その名称通り学生さんはチーム医療の一員として臨床教育者(CE:Clinical Educator)の治療の補助をし、治療の経験を積んでいきます。

※学生一人で治療を行うことは絶対にありません。そもそもそのような行為は法律で禁止されていますからね。

そのために、学生さんは実習に参加する上で、

患者様の

・これまで(病前生活~実習前)

・現状(実習中)

・これから(実習後~退院後)

の情報やビジョンを臨床家と共有していきます。

実習ではこの際に、学生さんが自らの考えをチームの一員として述べることができるようになることが求められています。

つまり、臨床家の話を聞いているだけでは、実習が成り立たないのです。

いつからCCSに変わるの?

2020年から導入されています。

ただ現在は移行段階であり、従来型と混在しているところが多いです。

なんでCCSに変わったの?~きっかけは?~

ある理学療法学生さんが実習で受けたハラスメントを理由に、自殺してしまったという悲しい事件がそもそものきっかけです。

これを機に、国会で理学療法学生が行う実習形態の問題が取り上げられ、CCSへの変更が決まったのです。

つまり、臨床で学生指導にあたる我々理学療法士が、二度とこのような事件を繰り返さないように、再発防止策としてCCSが導入されるのです。

ちなみにその事件は2019年4月8日に「和解」という形で決着しています。

全国の新聞でも掲載されるほどの大きなニュースとなりました。

「和解」とはいえ、内容としては一審判決で実習地の全面敗訴、高裁にて実習地が非を認めています。

詳細は『理学療法士学生の実習問題を問う 近畿リハビリテーション学院と辻クリニックに対する裁判を通じて考える』というサイト(http://www.ptjisyu.com/)にてご確認ください。

公判の全文が読めます。

指導にあたる理学療法士は必ず目を通しておきましょう。

”必ず” です。

CCSになると、なにが変わるの?

そもそも教育方法が違うのでなにがと一言で表すのが難しいのですが、印象的な変化を2つ挙げます。

①レポートがなくなった。

厳密に言うとCCSではレポートを作成する時間がほぼ取れないために、レポート作成ができなくなったのです。

というのも、CCSでは法律で実習に費やして良い時間が決められているため、自宅学習でレポートに費やす時間がないのです。

ただ、そもそも論として、法的には必須のものではありません。

もともと、レポートは学校側がどんな実習を送ったのかを判断するためのひとつの材料でした。

しかし、CCSでは別のチェックリストとよばれるもので評価をすることになったために、それを作成する必要がなくなったのです。

実習地によっては考えをまとめるために簡易的なものを作成することもあるようです。

②名称の変化。

・スーパーバイザー(SV) ⇒   臨床教育者(CE)

・担当症例 ⇒   経験症例

これまでは”患者様を担当する”かのように、評価、治療などを行っていました。

しかし、CCSでは、臨床家と共に考えた治療方針に則った評価・治療を、臨床家の補助として経験することになります。

CCSはどうやって学生の評価するの?

CCSでは学生さんの評価を『チェックシート』や『ポートフォリオ』にて行うことになります。

また、これらを作成・振り返りをする際の、CEとの『コミュニケーション』も大切な評価基準となっていきます。

指導する側にとって今まで評価の基準にしていた『レポート』。

この『レポート』がなくなることで、「大丈夫か?」「浅い実習にならないか?」などの不安に思う方も多いと思います。

しかし、この『レポート』自体が従来型実習の最も良くないと言われるポイントなのです。

学生さんが実習で学ぶべきは、”理学療法士”のこと。

”レポートを完成させる”ことではありません。

CCSのメリット・デメリット~従来型との比較~

ここまでCCSのことについて学んできましたが、最後にCCSと従来型の比較をまとめてきました。

CEの指導が学生中心から、患者中心になる。

CEはこれまでどおりの治療を続けることができます。

その中に、補助として学生さんについてもらうことで、一人ではできなかった治療を行うことができるようになります。

学生の負担が減る

レポート作成に当てる時間がなくなるので、理学療法の知識を付けることに集中できます。

従来型より臨床の引き出しが多くなる機会が増えます。

指導者の負担が減る

患者様の治療を段階的に伝えることだけに集中できます。

ただし、CEの質により学生さんの受ける教育の質が決まってしまう点には注意が必要です。

患者様の個人情報が守られる

レポートがない分、個人情報の持ち出しや流出などの可能性がなくなります。

CCSって本当にいいもの?

結論、理学療法士の臨床実習は従来型よりもCCSで行ったほうが、現代の教育として適していると言えます。

従来型の指導は、正直法律的に ”黒に近いグレーゾーン” で行われていたと言えます。

しかし、CCSではなんの疑いもなく ”白” と言える教育形態です。

リスクを取ってレポートに固執しますか?

それとも、リスクもなく、誰もが負担の少ない実習にしますか?

まぁどちらにせよ、2020年には変わるのです。

今すぐ考え方や捉え方を変えましょう。

来る未来に向けて歩き始めしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。

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