こんな未来を想像してみよう!
デイリーノートであまり時間を取られなくなって自分の時間が増えた!
「デイリーノート何書いていいかわからない、、、」
「今日のデイリーノートのネタはどれにしよう、、、」
「デイリーノートの負担大きいな、、、」
こんなことを常に疑問に思いながら通っていた実習。
当時は、なんのためになっているのかも自覚できないまま、ただただ毎日書かされるデイリーノートが苦痛でしかありませんでした。
そして極めつけが、せっかく書いても真っ赤になって返ってくるというあの無力感。
「何をしてもうまくいかない」と落ち込むばかりでした。
そこで、今回は「デイリーノート」を書く意味も踏まえて、少しでも有意義なデイリーノートを書き進められるようにまとめていきます。
実は、これはあなたの理学療法士人生に関わるとても大切なものですから、しっかりと、そしてさらっと書けるようにしておきましょう!
こんな方におすすめ!
- デイリーノートの書き方がわからない!
- デイリーノートにかける時間を少なくしたい!
- デイリーノートのネタの作り方が知りたい!
もくじ
デイリーノートの大前提
デイリーノートの書き方に行く前に、とっても大事なことを言います。
それは、、、
これは大前提として抑えておいてください。
時々、デイリーノートに力を入れすぎて、寝不足になってしまう学生や自己課題に手をつけられない学生も見受けられます。
それではもったいないし、「力の入れどころが間違っている」と評価されてもおかしくはないのです。
正直、多くの実習指導者にとって、デイリーノートの優先度はさほど高い位置にないと言っても過言ではないでしょう。
中には、日々の業務の中に、学生指導がプラスされるだけでてんやわんやになるのにもかかわらず、デイリーノートのチェックがプラスされる と思うと、読むのが億劫だという人も指導者もいるくらいですからね。。。
たしかに、読む側の気持ちになれば、業務の合間を縫って内容の濃い文章を読むのが大変だという気持ちになる方もいるでしょう。
だからこそ、他のことに大きな影響がもたらされるほどのデイリーノートを書いてくるんだったら、見学をもっと頑張ってくれた方が嬉しいですし、評価も高くなる可能性があります。
(支障なく書けるのであれば、ぜひデイリーノートにも力を入れてみてくださいね。)
つまり、デイリーノートは力配分を間違えない程度に、書き記しておくことが重要なのです。
だからもう一度言います。
”指導者が求める”デイリーノートの書き方
では、大前提を把握した上で、デイリーノートの書き方を知っておきましょう。
この方法は、指導者が求めているような書き方であり、かつ、将来見返した時に役立つようなものとなっています。
デイリーノートとは?
そもそも、デイリーノートとは、学生さんがその日に学習した内容や、考えたこと・感じたこと・思ったことを記録していくものです。
つまり、デイリーノートはもともと”実習中のあなたの頭の中を整理するためのツール”なのです。
だから、正直、なにを書いてもいいのです。
感想でも、反省でも、指導内容でも、患者さんのことでも、明日の目標でもなんでもOKです!
デイリーノートであなたの印象が変わる!
なので、まず初日にどんな風にデイリーノートを書いたほうが良いのかを指導者に聞いておきましょう。
そうすることで、指導者があなたにどんなことを実習で経験してほしいのか、どんなとこを見て欲しいのかなどのことを把握することもできます。
ただ、指導者にどんな風に書いて良いのかを聞いても、
「学校でのやり方に合わせて」
「これまで通りでいいよ」
「とりあえず、思うように書いてきて」
のように、多くの場合、具体的な型は教えてもらえないことも多いようです。
だからといって、テキトーに書いてくれば怪訝な顔で見られてしまうこともしばしば。。。
そして、厄介なことに、このデイリーノートの内容で指導者が抱くあなたの印象が決められてしまうのです。
というのも、指導者にとっては、このノートに書いてある考え方などから、学生さんの知識定着度や理解度を評価することができるからです。
つまり、指導者にとっては一種のコミュニケーションツールであり、評価ツールともなっているのです。
加えて、今の実習形態であるCCS(クリニカルクラークシップ)では、評価ツールの主軸であったレポート作成がなくなりました。
そのため、デイリーノートが学生さんの頭の中を覗くことのできる数少ないツールの一つという位置づけになっていくことが予想されます。
大丈夫。
ちょっとした工夫でデイリーノートがよくなります。
ぜひ、以下のポイントを参考にしながら取り組んでみてください。
デイリーノートに書いておくべきポイント 「SOAP」
あなたは「SOAP」という言葉をご存知ですか?
理学療法士は、その日対象者に行ったリハビリの内容を記録しておくことが義務付けられています。
その際に用いられる一般的な形式が「SOAP」なのです。
「SOAP」に関して詳しくはこの記事をご覧下さい!
⇒リハビリの記録で用いる「SOAP」の書き方を具体例とともに学ぼう。
現役の理学療法士が使用している日々の記録方式があるなら、これを利用しない手はないのですよね?
今のうちから書き慣れておけば、将来のためになること必至ですからね!
ということで、上の記事を参考に学生さんも「SOAP」のようにデイリーノートを書いてみましょう。
慣れてくれば、「SOAP」での書き方が、理学療法実習のデイリーノートにおけるテンプレートとなっていきますよ。
SOAPに慣れない方向けのテンプレート例。
見学実習や評価実習初期の段階では、SOAPで書く事が苦になる可能性もあります。
そこで、SOAPとは違うのですが、以下の3つのポイントで書いていく方法も良いかと思います。
この方法で行えば、のちのちSOAPに移行しやすいように工夫されているので、慣れないうちはおすすめです!
①指導者が行った治療を書く
・治療対象者の特徴(年齢、性別、病期、性格など)
・治療箇所(肩、脚、体幹など)
・治療方法(マッサージ、筋トレ、動作練習など)
・治療している場所(ベッド上、平行棒内など) など
②介入前後の変化を書く
・動作ができるようになった
・動作の巧緻性が上がった
・動作の介助量が減った など
③そこから推測される患者さんの身体的特徴を書く
・股関節伸展可動域制限
・大腿四頭筋筋力低下
・バランス能力低下 など
まずはこのくらい大雑把でも大丈夫。
これらを順にデイリーノートに記載していきましょう。
ひと工夫としては、見返したときに見やすいように、
・治療対象者をまず書いた上で、
・1つの治療プログラムに対して、②~③を書いていく
という記載方法が良いかと思います。
臨床に出てからは、
どんな状態の人に、
どんな評価をして、
どんな治療をしたら、
どんな効果が得られた/得られなかった
という情報がとても役に立ちますからね。
こういった情報が『1つの仮説』として、あなたの知識・経験となり、臨床で使う知恵となっていくのです。
デイリーノートのネタ集め方法
基本的には、見学中に上記の①~③を埋められるような情報を取得することに力を入れていきましょう。
ただ、まだ理学療法に慣れていない段階では、上に挙げた②~③が「見学しているだけじゃわからない!」という方もたくさんいると思います。
というのも、②~③は推測の域になるので、ある程度の知識がついてこないとパッとは思いつかないものです。
なので、そんな時は、以下のような質問を指導者に直接してみて情報を取得していきましょう。
「介入前後の変化に気付けませんでした。どんな変化があったのか教えていただけますか?」
「この治療はどんな効果を狙って行っていたのですか?」
「この治療はどこの身体要素の改善に繋がっているのですか?」
「この方の一番の問題点ってどこだったのでしょうか?」
もちろん、これらの質問はあなたの推測を確認するために
「私にはこうみえたのですが、先生はどう考えて治療されていたのでしょうか?」
と質問をしてみてもよいでしょう。
このように、指導者が発した言葉をそのままデイリーノートに書いていきましょう。
それが一番良いネタとなります。
そして、それがあなたが臨床へ出た時に一番役に立つ情報となります。
また、「もっと細かくネタを集めたい!」という方は、以下の記事で挙げたようなポイントをメモしておくことをオススメします!
この記事をみれば、①~③を埋める際にも、SOAP形式に書きおこす際にも、とても便利になると思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
実習に慣れてきたら、+αに挑戦してみよう!
実習の後半になるにつれて、理学療法というものに慣れてきてくると、デイリーノートの書く内容はこのテンプレート以上のことを求められていきます。
そんなときは、、、
・疑問に思ったこと
・疑問を解消するために評価してみたいこと
・自分だったらこんな介入をしてみたいという考え
これらを付け足していきましょう。
ただ、これらの+αは相当理学療法を知っていかなければ出てこないものです。
実習で多くの経験をして、ある程度、理学療法の知識が定着してくると、様々な矛盾や疑問点、人によって考え方の違いに気づくことができるようになっていきます。
ここまでの域に達することができれば、あなたが理学療法士として働く際に役立つ知識や知恵を、より具体的に指導者から指導してもらえるでしょう。
デイリーノートを書く「意味」と「価値」
なぜ毎日毎日面倒なデイリーノートを書かなければならないのでしょうか。
見学実習では、直接1対1で指導者から理学療法に関する知識や情報を指導してもらうことになります。
実は、これってものすごく貴重な経験なのです。
というのも、臨床へ出ると他人のリハビリを見学したり指導してもらう機会があまりありません。
あったとしても、同じ職場の先輩の治療のみ。
もしくは、高いお金(1回で1万円以上するものもたくさん!)を払って勉強会へ参加するほかないのです。
指導者はそうして培ってきた知識を、実習では惜しげもなく披露してくださるのです。
そんな貴重で価値のある経験を実習では味わうことができるのです(あえて”お金”というわかりやすい価値で例えました)。
そのメモとして、デイリーノートは応用することができるのです。
そしてこのデイリーノートのさらに凄いところは、まとめた知識が正しいものであるのかを直接指導者にチェックしてもらえるのです。
勉強会に参加したとしても、多くの場合はその場限り。
継続的フォローはありません。
どんな人でも、口頭で指導されたものは記憶に残りにくく、たった数時間もすれば曖昧になってしまいます。
だからこそ、「ノートという形でその記憶を留めておこう」というわけです。
しかも、指導者からのフィードバックをしてもらうことで、間違ったり、歪んだ解釈をしてないままの形でそれが残すことができるのです。
こうした記録を残しておけば、もしあなたが臨床へでたときに壁にぶつかったら、見返すことができます。
もしかしたら、ここに『答え』があるかもしれませんよね。
そんな時にもデイリーノートは大活躍。
だからこそ、ちょっと面倒なデイリーノートも、そして、たとえ指導者にとって優先度が低くても、時間がかけられる範囲でちゃんとやっておいたほうがいいのです。
デイリーノートを書く際の注意点
と、ここまでデイリーノートに関することを綴ってきたわけですが、
最後にもう一度言いますね。
これは忘れないようにね。笑
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き、『リハぶっく』をお楽しみください。