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当ブログは理学療法士である長谷川元気が監修しています。

 

『実習』のことや、『お金』のこと。

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長谷川元気

 

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実習の基礎

リハビリの記録で用いる「SOAP」の書き方を具体例とともに学ぼう。

投稿日:

リハビリの学校では「SOAP」は習わない?

先日、学生さんとのやり取りの中でこんなものがありました。

 

 

そういえば、私の学生時代を思い返してみると、たしかに言われてみれば「SOAP」って習った記憶が薄い?

何年も前の話なので、記憶がごちゃまぜになっているのでそう感じているのかもしれません。

 

しかし、ほかの理学療法士の方も、

と、おっしゃっているので、「SOAP」はそもそも、学校で教わらないこともあるのかもしれません。

 

ということで、今回は「SOAP」の書き方をまとめていきます。

理学療法の臨床実習で「SOAP」の書き方に苦労している実習生さんにもわかりやすいように、具体例を示しながらまとめていきますね。

 

そもそも「SOAP」とは?

S:主観的データ(Subjective Deta)

O:客観的データ(Objective Data)

A:考察(Assessment)

P:計画(Plan)

の略です。

読み方は「ソープ」といいます。

 

これは問題志向型診療録の一つとして用いられている記録方式です。

S・O・A・Pのそれぞれの項目に情報を入れていくことで、データの整理になるだけでなく、データの分析にも役立つ記載形式となっています。

つまり、「SOAP」には3つの役割があると言えます。

それが ”情報共有”  ”記録”  ”思考整理” です。

 

医療の分野では多くの施設で用いられているため、理学療法士だけでなく、医療従事者にとっては必須の知識といえるでしょう。

ということで、以下から「SOAP」の持つ3つの役割について深く掘り下げていきます。

 

 

「SOAP」はストーリーの型です。

「SOAP」は本来、情報共有に用いられるツールですので、誰が読んでもわかるように記載する必要があります。

わかりやすく情報共有するために型を決めておくことで、書かれているものが何を表しているのかを瞬時に判断することができます。

 

「S・O・A・P」それぞれの項目ごとの役割があるだけでなく、4つが一連の流れとして機能していることが特徴となります。

イメージとしては、物語の構成に用いられる「起承転結」のような型と同じです。

つまり、「SOAP」はストーリーの型であるとも言えます。

 

「SOAP」は以下のようなストーリーの型であると考えると、解釈しやすいと思います。

患者様は現状に対して、どんな「S」を抱いているのか。

その「S」に対して、どんな「O」が挙げられるか。

その「O」に対して、どんな「A」が挙げられるのか。

その「A」に対して、どんな「P」が挙げられるのか。

 

 

「SOAP」の書き方

では、ここから「SOAP」の書き方を学んでいきましょう。

最初は慣れないと、S・O・A・Pのそれぞれにどの情報を振り分けて良いか、判断に迷うこともあるかと思います。

何度も具体例を読み直して、記載できるようにしていきましょう。

そして、何度も指摘を受けて、わかりやすい「SOAP」が書けるようになりましょう。

 

 

S:主観的データ(Subjective Deta)

患者様の主観的な情報を”できるだけそのまま”記載します。

患者様とのコミュニケーション中にあった言葉や仕草の中で、「O」につながる情報を”できるだけそのまま”記載していきましょう。

 

ここには、我々医療従事者の言葉や考えは一切入りません。

あくまで、患者様から発信されたもののみを記載しましょう。

 

ただし、患者様の認知機能や判断能力が低下している場合は、たとえ矛盾していても「O」に対して、患者様がどう思っているのかを聴取したものを記載しています。

【矛盾している】ということも評価のひとつとなりますから。

 

~具体例~

・まだまだ膝が痛むかな

・今日は手がしびれてるわ

・起きるとめまいがするね

・(ふとももをさすりながら)ここが痛いの

 

 

O:客観的データ(Objective Data)

記載者が評価した客観的な情報を記載します。

患者様の「S」に関する検査・測定した評価結果等の事実を記載していきましょう。

また、「O」では実施したリハプログラムの内容と、それにより変化した点についての評価結果も記載していきましょう。

 

 

~具体例~

・<ROM測定>肩関節屈曲90度、外転30度

・<疼痛検査>VAS4

・40m程度歩行後、SpO99→90%

・筋力増強運動後、大腿四頭筋のMMT3→4

 

 

A:考察(Assessment)

「S」「O」の結果を統合・解釈し、考察したものを記載します。

「S」「O」から記載者が考えたことを記載していきましょう。

 

ここからは「事実」ではなく、あくまで「推論」となっていきます。

「O」で挙げた評価結果とリンクさせておくことを心がけましょう。

「O」で挙げてもないところからの推論では、妥当性も信用性もなくなってしまいます。

「O」という証拠があるから、「A」という推論が成り立つのです。

 

〜具体例〜

・術後の疼痛緩和がみられてきたことから、炎症が治まり、創傷治癒が促進されていると考える

・起き上がり時、血圧変動がみられないため、めまいの出現なく端座位を保持できたと考える

・大腿四頭筋のストレッチにて膝関節屈曲ROMが改善がみられたことから、制限因子が大腿四頭筋であったと考える

・胸郭のモビリティが向上したため、呼吸苦が軽減し、歩行距離延長に繋がったと考える

 

 

P:計画(Plan)

「A」で挙げた考察に基づいて、問題解決のための方針や今後の展開を記載します。

 

リハプログラムの内容やプランの見直しを記載していきましょう。

また今後の予定や見通しなどの展開についても記載しておくと、情報共有という面でも有効なものとなります。

 

 

〜具体例〜

・ex#1.足関節背屈のROMex、ex#2.前脛骨筋の筋トレ、ex#3.歩行Tst~Sw練習、ex#4.杖歩行練習

・明日から1/3部分荷重練習の開始予定である

・熱発傾向のため運動負荷量を落として実施する

・食事中の覚醒向上のため車椅子の座位時間延長を図る

・ゴール達成のためリハビリを終了とする

 

 

 

リハビリにおける「SOAP」

「SOAP」はカルテに記載するものである

医療系の職種では患者様についての日々の記録を「カルテ」に記載しています。

「カルテ」には他にも、検査結果や既往歴に関する情報、入院前の生活状況などの情報が集められています。

そのなかで、理学療法士も”リハビリテーション実施経過記録”として日々のリハ記録をカルテに記載することが、法律上義務付けられています。

 

どんな状態なのか

どんな問題点があるのか

どんなリハビリをしているのか

どんなリハビリが効果的なのか

どんな今後の見通しなのか

 

などを中心に、その日に担当した理学療法士が、”どんなことを考えてリハビリテーションを提供したのか”を記載していきます。

そのため、「SOAP」での記録は、日々の記録だけにとどまらず、リハスタッフ間での情報共有のツールの一つともなっています。

担当のPTが休暇などを取った時に、代わりのPTがフォローとして対象の患者様をリハビリするときの一助としても大変有用なツールなのです。

 

「SOAP」は医療者共通の記録の書き方である

「SOAP」はリハ職だけが用いる情報共有のツールではありません。

医師や看護師の方も「SOAP」で看護記録をカルテに記載しています。

 

「SOAP」自体はもともと医師が問題解決のために用いるツールとして使用されています。

問題志向型の診療をしているという意味では、医療従事者にとって馴染みやすい記録方式だと言われています。

 

 

カルテは他職種の方もみている

カルテに記載するということは、理学療法士の記載するリハ記録は他職種の方も目にする機会があるということです。

我々が看護記録を確認しているように、他の職種の方もリハ記録に目を通しているのです。

 

そのため、ほかの職種の方からも何が書いてあるのかわかりやすいように記載するように心がけたいところですね。

長文・短文の指定はありません。

ただ、だらだらと書き綴っていれば読みにくくなるので、要領よくまとまっていた方が”良いカルテ”と言えるでしょう。

日々の業務で忙しい医療従事者でもスムーズに把握できるように配慮していきましょう。

 

リハ職以外の医療職とは主に、医師・看護師・栄養士・MSWといった職種の方が、リハ記録をみている機会が多いような印象です。

それらの職種の方が欲しいリハビリの情報として

・ADLレベル

・運動負荷量

・今後の見通し

程度の情報は最低限わかるように記載しておく必要があるかと考えています。

 

 

もちろん、電子カルテを導入していない施設では、読みやすい字で記載するのも忘れずにね!

 

 

「SOAP」のもうひとつの役割

「SOAP」はこれまで挙げた ”記録” や ”情報共有のツール” としての役割のほかに、”思考整理” という役割もあります。

それぞれの型に情報を振り分けていくことで、あなたの考えを整理することができるのです。

 

上では「わかりやすく記載する」と書きましたが、最初からそれができるはずもありません。

学生や新人のころなど、書き慣れないときはたくさんの情報が記載されていてもいいのです。

後にその情報が効果を発揮することもありますから、気づいた点や気になった点は書き記して置きましょう。

 

そうして書いていくうちに必要な情報だけが記せるようになっていきます。

そういったところでも、自分の成長を感じることができるかもしれませんね。

 

 

まとめ

ここまで「SOAP」に関する情報をまとめてきました。

しかし、正直書き慣れるまでは分類が曖昧になってしまったり、そもそも文章が思いつかないなんてこともよくあることでしょう。

なので、あとはいっぱい書いて、いっぱい指摘を受けて質の良い「SOAP」としていくほかないです。

 

私が新人のころは、この「SOAP」に書き慣れなくて、一人の患者様の記録に1時間以上もかかっていましたから。。。

今ではものの5分もかからなくなりました。

こんな私でもそこまで短縮できているのですから大丈夫です。

ひたすら書き慣れていきましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。

 

 

 

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