実習中に目指すべき「気が利く」実習生とは?
ふとした時に、「気が利く」実習生さんと「気が利かない」実習生さんの違いってなんだろう?
と、同僚とで議論する時間がありました。
前提として、
「気が利く」実習生さんは、どの指導者からしても好印象です。
一方、「気が利かない」実習生さんはどの指導者からも印象が悪いということがわかっています。
ただ、「気が利く」を履き違えて、【邪魔】になっている実習生さんもいる、、、
ということも議論の中に出てきました。
たしかに、実習生さんが我々や患者様に対して配慮してくれるのはありがたいことなのですが、過剰な配慮は逆に印象を悪くします。
指導者の中には、治療の段階によって、患者様の自立度を高めるために”あえて”配慮していないということもあるのです。
例えば、
患者様がモノを落とした→拾うときにどんな動作をするのだろうか?
と指導者が評価しようとしている最中に、実習生さんが拾ってしまった。
この時は、指導者にとって、実際に患者様が退院後にするであろう”モノの拾い方”を評価する絶好のチャンス、、、
と考えているかもしれません。
こうなってくると、
・患者様にとっては「気の利く」実習生さん
・指導者にとっては「気の利かない」実習生さん
という評価になってきます。
そうなんです。
この辺の塩梅はとても難しいのですが、実習生さんはこれを察して気を利かせていかなければなりません。
とっても面倒ですよね。
なので今回は、同僚との議論で導かれた”「気が利く」実習生さんと「気が利かない」実習生さんの違い”についてシェアしていきます。
これを読めば、”「気が利く」実習生”という印象を持ってもらえるようになれるでしょう。
実習生さんが目指すべき”気が利く実習生さん”とは?
そもそも「気が利く」とはどういうことなのでしょうか。
詳細は以前書いたこちらの記事をご参照いただければと思います。
【9選】実習では「気のきく人」を目指そう。実習地でできる『気遣い』
一般的に、気がきく人とは、相手の考えを理解し、先読みする技術に長けている人のことを指します。
これには相手の視点でものごとを把握し、また、相手の置かれている状況や立場など、すべてのことに対して配慮をしていくことが必要となります。
とはいえ、冒頭の例でも示したように、すべてを完璧に把握することなど多くの方には不可能な話です。
そのため、実習生さんが目指すべき「気がきく人」は、並外れた要求に応えるのではなく、さりげない気遣いを積み重ねることが大切であると考えられます。
そのさりげない気遣いの積み重ねが「あの人は気がきく人である」という評価に繋がっていくのです。
「気が利く」実習生さんが実践する『目配り』『気配り』『心配り』について
そのために、配慮しておきたいことが『目配り』『気配り』『心配り』の3つの配り物です。
これはよくコミュニケーションスキルとしても、”できる”ビジネスマンが意識していることです。
マナー研修とかでも”接客術”として紹介されていることが多い印象があります。
学生さんは実習中に"3つのもの"を配り続けよう。
✅気配り
✅心配り
✅目配りこれがあなたの人柄を決める。#そんで今日もまた骨頼み
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 2, 2019
世間的にも高評価を得られている3つの配り物
たしかに「気が利く」実習生さんも『目配り』『気配り』『心配り』という3つの配り物がよくできています。
同僚との議論のなかでも、この3つの配り物に関する意見がたくさん出てきていました。
どれだけ相手の気持ちを理解できるか、どれだけ相手の行動を予測できるか、、、
言葉で表すと簡単ですが、意識して実践してみるとなかなか思うようにはいきません。
さらに、実習中は緊張もしますし、見学することに集中しているため、そこまで気が回らないことも容易に考えられます。
そこで活躍するのが、『目配り』『気配り』『心配り』という視点です。
これらを上手く取り入れて、「気の利く」実習生を目指してみましょう。
『目配り』について
め‐くばり【目配り】 の解説
[名](スル)いろいろな所に注意を行き届かせること。「周りにも怠りなく目配りする」
goo辞書より(https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%9B%AE%E9%85%8D%E3%82%8A/#jn-217212)
『目配り』はいろいろなところに注意を行き届かせることです。
そのために、顔を上げ、視界を広くして、相手の行動や表情、周囲の環境などをよく観察していく必要があります。
”前の日との違い”について注目してみても、見つけやすいかと思います。
例えば、
・仕事が始まる前に物品が整理されているか確認する。
・見学している場所が、ほかの患者様にも迷惑でないところかどうか見渡してみる。
・患者様と話しているとき、つらい想いをしていないか表情だけでなく、姿勢にも注意して観察してみる。
などです。
『気配り』について
き‐くばり【気配り】の解説
[名](スル)あれこれ気を使うこと。手抜かりがないように注意すること。心づかい。配慮。「気配りが行き届く」「会場の設営に気配りする」
goo辞書より(https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%B0%97%E9%85%8D%E3%82%8A/#jn-51249)
『気配り』とは目配りした結果、あれこれ気を使うことです。
そのために、相手の行動を先読みし、あなたが相手のためになることを行動していく必要があります。
まずは”自分だったら次の行動はこうするであろう”ということを基準に考えてみましょう。
例えば、
・患者様をベッドへ誘導した際に、横になるだろうから枕カバーを用意しておこう
・次は車椅子に乗るだろうから、車椅子を取りに行こう
・今日はもう終業だから、掃除を真っ先にしよう
など
『心配り』について
こころ‐くばり【心配り】の解説
あれこれと気をつかうこと。心づかい。配慮。「温かい心配り」
goo辞書より(https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BF%83%E9%85%8D%E3%82%8A/#jn-78135)
『心配り』とは、気配りをした結果、あれこれ気を使うことです。
『気配り』と似ているのですが、『心配り』は相手のことを理解しておく必要があります。
あなたは相手が本当に求めていることを、行動していかなければならないからです。
人によっては『気配り』ができていても『心配り』ができていないために、「気の利かない」実習生と烙印されてしまっている場合があります。
冒頭であげた例がまさにそうですね。
患者様のためにはなっていますが、指導者にとっては迷惑、、、
『気配り』と『心配り』の差は結構大きいものです。
なので、実習生さんが『心配り』ができるようになるには、これから何が起こるのかという”実習の流れ”を知っておくことが重要です。
これを知っておくだけでも、指導者が感心する『心配り』ができてくるでしょう。
以下の記事では、そんな『心配り』にも通じる”実習の流れ”についてまとめています。
ぜひ参考にしていただけると幸いです。
【実習の教科書】学生さんが知っておきたい ”理想の実習生” とは?
実習生さんはこれら3つの配り物『目配り』『気配り』『心配り』を意識して「気の利く」実習生を目指してみてください。
最初は空回りしてもかまいません。
『心配り』ができるように、『目配り』『気配り』に力をいれて、徐々に指導者の性格や考え方を理解していきましょう。
何度も何度も『目配り』『気配り』のtry&errorを繰り返した上で、指導者にとっての『心配り』を目指してみてください。
その先で待っているのは、実習で得られる有意義な情報・経験ですよ。