臨床実習では気遣いをして気の利く人になろう

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実習のコミュニケーション学

【9選】実習では「気のきく人」を目指そう。実習地でできる『気遣い』

投稿日:2019年2月20日 更新日:

はじめに

リハビリテーション職の人が必ず通る道である実習。

誰しもが緊張と不安で押しつぶされそうになる期間です。

こうしてブログを書いている私も、もちろんその一人でした。

 

今では、実習前の不安と期待が入り混じった、精神的には決して落ち着いているとは言えない状況で過ごしていた日々が懐かしく思えます。

当時バカ学生だった私の実習の成績は、”可もなく不可もなく”くらいのものでした。

 

そんな私が、ある実習において指導者の方から褒められたことがあります。

詳しく聞いてみると、どうやら私は、実習地では「気がきく」学生さんとして好評を得ていたようでした。

多くの先生方から、学力や技術はさほどでも、実習態度としては良いものがあったと、お褒めの言葉を頂くことができたのです。

そのおかげもあってか、私の中で、その実習が他の実習よりも多くのことを指導してもらえていたという実感がありました。

 

たしかに、実際指導する立場になって感じたのですが、「気がきく人」というのは、印象がよくみえます。

そのため、人間関係を良好にするためには身につけておきたいスキルの一つであると感じました。

そこで今回は実習先で「気がきく人」という評価を得るために、学生さんができることを具体的に提示していきます。

はせがわ
この記事を読めば、あなたも「気がきく人」への一歩を踏み出せます。

 

 

なぜ、「気がきく人」を目指すのか。

なぜ私が、実習地では「気がきく人」を目指すことを推奨しているのかというと、

はじめに でも触れましたが、それは あなたの実習を、より充実したものにするために必要なこと だからです。

 

『実習が充実したものになるかどうかは、良くも悪くも学生さん自身の取り組み方によって大きく変わっていく』

 

このことは、学生さんにとっては、すごく重い言葉のように聞こえてしまうとは思います。

しかし、臨床家からすると、こう考えている人が多いのが現状です。

 

なので、学生さんは自分が取り巻く環境を、良いものにしたければ、自分でその環境を作っていく必要があるのです。

そのための1つの手段として、あなたの印象を「気がきく実習生」というプラスのものに位置付けておくことは、決して損な話ではないのです。

 

また、実習で気遣いの練習をしておくことは、良い社会経験の1つです。

社会的にも「気がきく人」は良いイメージがあり、重宝される社会人スキル(ビジネススキル)の1つとなっています。

つまり、学生さんにとって実習で「気がきく人」を目指す理由としては、

 ・自分自身の実習をより充実したものにするため

 ・良い社会人スキルを習得する練習のため

の2つが挙げられます。

 

 

「気がきく人」とは?

では、そんなビジネススキルである「気がきく人」とは、いったいどんな人のことを言うのでしょうか?

気がきく人とは、相手の考えを理解し、先読みする技術に長けている人のことを指します。

これには相手の視点でものごとを把握し、また、相手の置かれている状況や立場など、すべてのことに対して配慮をしていくことが必要となります。

とはいえ、すべてを完璧に把握することなど多くの方には不可能な話です。

また、気がきく人は並外れた要求に応えるのではなく、さりげない気遣いを積み重ねることをしています。

その気遣いの積み重ねが「あの人は気がきく人である」という評価に繋がっていくのです。

 

 

気がきく人=優しい人、親切な人ではない。

ところで、よく気がきく人の間違った解釈として優しい人、親切な人が挙げられています。

しかし、優しい人、親切な人の多くは、自己主張がなく、遠慮がちな印象を与えてしまいます。

 

悪い言い方をすれば「イエスマン」です。

会社的には、イエスマンは"とても便利な人" "言えばなんでもやってくれる人" というレッテルが貼られることが多いです。

そんなレッテルを貼られてしまえば、気遣いをするどころか、仕事をたんまり依頼されていく一方です。

 

つまり、気がきく人は能動的に「気遣いをする」という行為ができる人を指すのです。

決して、言われてやるような行為は気遣いとは言えません。

実習生の中には、どうしても受け身で実習を進めてしまう方が多い印象があります。

私もそうでしたから、気持ちは痛いほどわかりますが、それではいつまでも、「気のきく人」と評価されることはないでしょう。

 

 

気遣いはバランスが大切

ただ、この気遣いをするという行為は過度にやり過ぎても、また、やらな過ぎても良くないと言われています。

やり過ぎてしまえばお節介さんと呼ばれ、やらな過ぎると、気が利かない人と呼ばれてしまうのです。

気がきく人はこのバランスを絶妙に上手く、保っているのです。

 

気が利く人と気が利かない人とお節介な人のバランス

気が利く人はバランスが良い

 

こうしてみると、気遣いってとても大変なものだという印象を受けてしまいます。

しかし、気遣いとはあなたの相手を思いやる気持ちを体現したものです。

相手のことを第一に考えた結果が、相手にとってはお節介と感じられてしまうことも時にはあるでしょう。

でも、多少過剰に思いやるくらいの方が、あなたの気持ちを受け取る側としては、感謝の念にかられる場合が多い傾向にあるということは覚えておいても良いかもしれません。

 

 

気遣いの注意点とその対策

ただし、気遣いをする際に注意しなければならない点があります。

それは、セラピストが"あえて"その行動をとっていない場合がある、という点です。

 

例えば、

【あなたが、患者様が脱いだ靴が不揃いになっていたことに気付いたので、揃えようとしたら、指導者から揃えないで欲しいと言われた。】

というケースがあったとします。

 

不揃いの靴を揃えるという行為自体は、良い気遣いと言えます。

しかし、それにもかかわらず注意を受けてしまったのです。

 

実はこの場合、セラピスト目線からすると

【患者様が自分で揃えることができるのか、または、不揃いのままでも、靴を履けるのかなどの評価をしていた】

のです。

 

つまり、この時の学生さんは、【患者様がする全ての行為を評価している】というセラピストの考えを理解できず、お節介な行為となってしまっていたのです。

ただし。これに気づくことは学生さんとってはなかなかハードルが高いものと言えます。

これは、おそらくリハビリテーションという治療の場だからこその注意点だと考えます。

 

では、この時、学生さんはどうしたらよかったのでしょうか。

その対策の答えは簡単です。

 

その指導者に靴を揃えて良いか直接聞いてみましょう。

その反応をみてから行動するのでも遅くはありません。

 

ただ、毎回毎回聞いていては「気遣い」ではなくなってくるので、注意が必要です。

上でも書いたように、指導者の考えを理解し、先読みしていきましょう。

 

また、他の対策としては、何度かその方の見学に入らせてもらったときに、その指導者が「患者様への気遣い」として、そのような行為をしているか、に着目しておくのも良いでしょう。

していた場合、学生さんがそれをやってよいと判断ができます。

逆に、その指導者が揃えていなかった場合、見学後の質問タイム時に、それが"あえて"だったのか聞いてみるのも良いかもしれませんね。

 

実習生でもできる「気遣い」

ここでは、実習生さんでもできる気遣いの例を挙げていきます。

これらのうちが数個ができるだけでも、実習先のセラピストからは「おっ。」と思ってもらえるでしょう。

私が実習生時代に実践していたことのなかで、指導者となった今の目線でみて、いいなと思った気遣いのみ9つ厳選しました。

 

①挨拶をきちんとする

②約束の時間を守る

③朝の準備をする

④消耗品の補充をする

⑤備品の整理整頓をする

⑥車椅子の操作をする

⑦エレベーターの操作をする

⑧リハビリに必要な用具を持つ

⑨締め作業をする

 

別に大したことないものばかりですよね。

これら全てに共通するのは、セラピストでなくてもできるものとなっています。

つまり、誰でも出来るような細かいところを学生さんが自ら買って出ていくことが、気遣いに繋がっていくのです。

 

他にも、それぞれの実習地でできる気遣いはたくさんあります。

それに気づくためにも、実習期間中はなるべく早く実習地のタイムスケジュールや仕事方法、指導者の癖などを把握して、「気遣い」に繋がりそうなことを、能動的に行ってみてください。

 

最後に

「気遣い」はあくまで、実習を充実させるために必要な、環境を作り出すことを目的としたツールの1つです。

やらないよりかは、やった方がいいのですが、ここばかりに気を取られすぎてもいけません。

 

実習の本質はあなたの将来のために多くの経験を積むことです。

指導者の言葉、治療内容、環境設定、患者様の反応など優先度の高い着目すべきところは他にもたくさんあります。

実習の本質+αとしての「気遣い」を心がけて取り組んでくださいね。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引き続き、『リハぶっく』をお楽しみください。

 

 

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