「SOAPって、どう書いたら正解なんだろう…?」
実習初日、「SOAPを書いてきて」と言われたけど、何をどう書けばいいのか分からない…。
OとAの違いは?Pって何を書けばいいの?そもそも、これで合ってるの?
そんな不安を感じる理学療法士学生は少なくありません。
でも安心してください。SOAPは、”型”と”考え方”のコツさえ掴めば、誰でも確実に上達します。
この記事を読んで、SOAPを自分のものにしていきましょう!
この記事の目的
SOAP記録の基本構造を理解し、初めての実習でも自信を持って記録が書けるようになることが目的です。
毎日のSOAPを“思考の整理”に変えていきましょう。
目次
SOAPとは?〜構造と目的を整理しよう〜
SOAPとは、医療現場で情報を整理・共有するための記録様式です。
項目 | 意味 | 内容 |
---|---|---|
S | Subjective | 患者の主観的な訴え・感情・不安など |
O | Objective | 評価結果、バイタルサイン、動作観察など客観的な情報 |
A | Assessment | SとOをもとにした考察・解釈・問題点 |
P | Plan | 今後の方針、リハビリの目標、具体的な計画など |
この4つの情報はそれぞれが独立しているのではなく、4つが”流れ”としてつながっていることが大事です。
SOAPの各項目の役割と書き方
次にSOAPそれぞれについて役割と書き方の基本を把握しておきましょう。
S(Subjective)主観的情報
例:「右膝がズキズキする」「昨日はよく眠れなかった」
書くときは“患者の言葉をそのまま”使うことが基本!
O(Objective)客観的情報
例:TUG 14.2秒/歩行時に左下肢の引きずりあり
測定値・観察結果・検査所見など“誰が見ても同じ”情報を書こう!
A(Assessment)評価・解釈
例:「歩行能力の低下により、日常生活に制限が生じていると考えられる」
SとOをつなげ、「なぜそう言えるのか」を論理的に記述しよう!
P(Plan)今後の方針
例:「明日も屋内歩行練習を継続」「痛みへの対処としてアイシング指導を行う」
具体的な行動や支援の方向性を明記しよう!
これは、実際の臨床現場でも日々使われている、プロの記録の“型”です。
学生のうちから描き慣れておく。
これがこれからの理学療法士人生の中で大きな意味を持つというのは、大袈裟な表現ではないのです。
そのため、より詳しくSOAPについて触れた有料noteを書きました。
実習生のうちからSOAPを習得して、臨床へのスタートダッシュを決めてみましょう!
⇨【学生向け】実習の記録が変わる!デイリーノート×SOAPの活用法。

実習生がやりがちなミスとその改善ポイント
ここでは、私が実習でよく見かけたミスをシェアします。
ありがちミス | 修正のヒント |
---|---|
OとAが混ざっている | 事実(O)と考察(A)をしっかり分ける |
Pが曖昧で行動につながらない | 誰が・何を・どのように行うかを書く |
全体的に抽象的 | 数値・動作・具体例で裏付ける |
この他にも、実習生さんがよく書いてくる「歩行が不安定」「ふらつきあり」などのようなNG表現を、修正している有料noteを書きました。
こういったものが、なぜNG表現なのかを把握し、SOAPを自分のものにしていきましょう。
⇨【学生向け】実習の記録が変わる!デイリーノート×SOAPの活用法。

書きやすくするための準備術
- SOAPを書く前に「メモの構造化」をしておく
- 各セクションごとに観察や評価時の“意図”を意識
- 日中のうちにSとOはメモで分けておくと時短になる
このように準備をしておくと、デイリーを作成する際に頭を抱える時間がグッと抑えることができます。
記録は“その場”で8割、あとで2割という意識でやってみましょう。
理学療法学生向け!実習ケースのSOAP記録例
ケース:右膝OAの患者さん(70代女性)
S)階段の昇り降りがつらくて、最近は買い物も行けてない。
O)TUG:15.2秒。膝関節屈曲ROM:110°。荷重時に疼痛訴えあり。
A)膝OAによる可動域制限と筋力低下が、移動範囲の制限に影響。
P)関節可動域改善のための運動指導+段差昇降練習を行う予定。
このように1つの情報に対して、1つの目的となるようにまとめてみましょう。
初めのうちは、あれもこれも書きたくなるとは思いますが、必要十分な情報量を心がけましょう。
以下の有料noteでは、このようなSOAPの具体的な例を5例、この記事よりも詳しく示しています。
実習で書く際には、そこに書いてあるくらいの情報量でまとめられるようにしておくと、臨床でもすぐに使える知識となるでしょう。
⇨【学生向け】実習の記録が変わる!デイリーノート×SOAPの活用法。
まとめ:SOAPは”考えるための記録”

SOAPは、「何を書いたか」よりも、「なぜそう考えたのか」が問われる記録です。
- 書けないときは、“観察が足りていない”だけかも!
- 思考の流れを整理することで、学びが深まる!
- ”型”があれば、”正解”に近づける!
記録はあなたの“理解力”を育てる鏡です。
失敗を恐れず、一歩ずつ書き進めていきましょう。
もっと詳しく・深く学んでみたい方は、この有料noteにて触れていますので、参考にしてみてください。
⇨【学生向け】実習の記録が変わる!デイリーノート×SOAPの活用法。