理学療法士の実習を控えた学生が、当日を落ち着いて迎えるためには、荷物の準備だけでなく「心の準備」も欠かせません。
この記事では、実習前に持っておきたい“5つの心構え”を具体的に解説し、不安の軽減と実習への前向きな一歩を後押しします。
目次
実習前は誰でも不安。まずはその感情を認めてOK
「怖い先生だったらどうしよう」
「何を聞かれるのか不安」
臨床実習を前に、こうした不安を抱えるのはごく自然なことです。
大切なのは、不安を「消す」ことではなく、「扱える状態」にすること。
そのためには、実習に向けた心構えを明確にしておくことが効果的です。

心構え①「完璧を目指すより、“誠実さ”を意識しよう」
多くの学生が、
「知識も技術もまだまだなのに、現場に行って大丈夫だろうか?」
と感じています。
しかし、実習で求められるのは「完成された能力」ではなく、“学ぼうとする姿勢”です。
❌ NG思考 | ✅ 評価される姿勢 |
---|---|
間違えたらどうしよう… | 分からなかったら調べて報告する |
指導者に怒られるかも… | メモをとって改善しようとする |
他の学生より劣っているかも… | 自分のペースで学ぶことに集中する |
誠実に学び、改善しようとする態度こそが、最も評価される資質です。
実習での”わからない”は悪いことではないのです。
わからなかったことを、ちゃんと「わかりません」と言えることが重要なのです。
心構え②「緊張して当然。行動で不安をやわらげよう」
実習前夜に眠れなかった、という声は少なくありません。
緊張は自然な反応ですが、「何もしないまま迎える初日」と「やれる準備をした状態」では、心の余裕に差が出ます。
できる準備の一例
- SOAPの流れを確認
- バイタルの基準値をおさらい
- 教科書の目次だけ目を通す
- 持ち物をチェックする
“やったことがある”という経験値が、あなたの不安を和らげてくれます。
関連記事:【理学療法士学生向け】実習に必要な持ち物リスト完全版|+αで安心できるおすすめアイテムも紹介
心構え③「”学生らしさ”とは、“素直さ”と“学ぶ姿勢”のこと」
実習でよく言われる「学生らしく頑張れ」という言葉。
これは「知識が完璧であれ」という意味ではなく、
「誠実に、素直に取り組む姿勢を大切にしてほしい」というメッセージです。
- 指摘されたら素直に受け止める
- わからないことを放置しない
- 調べて翌日報告する
これだけでも十分に「学生らしい姿勢」として伝わります。
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前半の無料部分に一番伝えたいことは記してあるので、参考にしてください。

心構え④「他人と比べず、自分のペースでOK」
実習中は、他の学生が優秀に見えて落ち込むこともあります。
「自分だけができていないような気がする…」
でも、得意・不得意は人それぞれ。
評価されるのは、“昨日の自分より少し成長したかどうか”です。
❌ 他人と比較する | ✅ 自分の変化に目を向ける |
---|---|
発表の上手さ | 昨日より丁寧にメモできたか |
会話のスムーズさ | 相手の話を傾聴できたか |
周囲と比べて落ち込むより、自分の小さな成長を見つけてください。
心構え⑤「全て覚えようとしないで。“復習ベース”でOK」
「予習しなきゃ」と焦って、膨大な資料に手がつかなくなる…
よくある実習前あるあるです。
ですが、すべてを覚える必要はありません。
- SOAPの構造
- バイタルの基準
- 代表的な評価スケールの名前
これらを“見たことがある”レベルで把握しておくだけで、現場での吸収力が大きく変わります。
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まとめ

“できる自分”より“学ぶ自分”でいるようにしましょう。
実習で一番大切なのは、「どれだけできるか」ではなく、
「どれだけ学ぼうとしているか」です。
- 緊張してもOK。準備した分だけ安心できる
- 分からないことは、後で調べて報告すればOK
- 自分なりのペースで前に進むことが何より大事
心の準備が整うことで、実習初日の足取りはきっと軽くなるはずです。