臨床実習で役立つおすすめ参考書の比較していきます【呼吸器疾患編】
『リハぶっく』では、Twitterにて、アンケートによるPT実習に役立つ参考書No.1決定戦を分野別に開催しております。
今回は”呼吸器疾患”の分野における最新の人気参考書を調査した結果をお伝えします。
呼吸器疾患のNo.1決定戦では、数ある参考書の中から、独断と偏見で『病気がみえる 呼吸器』『この30題で呼吸理学療法に強くなる』『呼吸リハビリテーションの理論と技術』『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室』を候補に挙げました。
これらの参考書は私が学生さんにおすすめするものです。
だから、どれを手にとっても実習の、臨床での強力な味方になってくれるはずです。
その中でも人気である書籍はどれなのか、ほかの方の意見も参考にしたいなと思い立ち、アンケートをするにいたりました。
医療系の参考書は理学療法士の分野も値段が高いため失敗はしたくないですよね。。。
呼吸器疾患はこれからの時代、ますます増えていくであろうと考えられますので、ぜひこれらの比較を参考に選んでみてください。

その他の分野に関しては以下の記事にまとめて掲載しております。
少しでも出費を抑える方法
⚔️実習で役立つ参考書No.1決定戦🛡
【呼吸器疾患編】
実習のとき役立った‼️
実習生のときに出会いたかった‼️
臨床でも使える‼️
いまだに重宝している‼️そんな参考書に投票ください。
※その他にオススメがある場合はその参考書をご連絡いただきたいです🤲
皆さまの知恵を拝借させてください🙇♂️
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 15, 2019
アンケート結果
総括
お急ぎの方のために総括をはじめに。
2019年12月現時点での『呼吸器疾患』部門のNo.1参考書は『病気がみえる vol.4 呼吸器』でした!
このシリーズは以前行ったアンケートの整形外科編と脳血管疾患編でも1位を獲得していましたね!
『整形外科』『脳血管疾患』に引き続き『呼吸器疾患』でもと思うとその強さから、No.1参考書としての地位を確立していると言っても過言ではなさそうです。

私自身もこのシリーズに大変お世話になっており、臨床では欠かせない一冊となっています。
”わかりやすいイラスト”と”低価格”という魅力は、金欠セラピストにとってもありがたい存在ですね。

それぞれの書籍については、
病態理解・リスク管理をするなら『病気がみえる vol.4 呼吸器
』
臨床のセラピストの考え方に触れたいなら『この30題で呼吸理学療法に強くなる (理学療法NAVI)』
呼吸リハビリテーションの基礎を学びたいなら『呼吸リハビリテーションの理論と技術』
呼吸器疾患を深く学びたいなら『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全29章]改訂第3版』
なのかなと考えました!
それぞれの特徴を把握して、自分にあった参考書をみつけてみてくださいね!
投票数
76票!
1位:『病気がみえる vol.4 呼吸器
』 71.1%
71.1%!!
相変わらず、こちらのシリーズは圧倒的な支持率です!
呼吸器疾患を生理学的な観点から学ぶことができる参考書。
整形外科疾患・脳血管疾患同様に、呼吸に関する疾患の病態理解をするための知識は、この一冊で十分と言っても過言ではありません。
我々理学療法士は病態を知ることで、”リスク管理”や”予後予測”を立てることができます。
これらは病院で働く医療従事者として、患者様はもちろん、自分を守るためにも知っておかなければならない知識です。
そのため学生さんや新人さん向けとなっている印象です。
ほかのシリーズ同様、内容の濃さはもちろん、わかりやすさと低価格なのも人気の理由。
学生~新人さんにとっては強力な味方になってくれることでしょう。
また、実習や臨床だけでなく国試対策の参考書としても、大変役立ちます。
掲載してあるQRコードから呼吸音を聞くことができます。
呼吸器のところで出てくる呼吸音は、ややこしい名前ばかりで覚えにくいものばかりです。
しかし、この呼吸音を聞ける機能を活用すれば、イメージしやすく、国試対策としても有効であること間違いありません。
そう言った意味でも、”みえない”世界を”みえる”ようにするには、この一冊がおすすめです。
ただ、この『病気がみえる シリーズ』に関しては病態理解がメインなので、運動や理学療法との関連は弱い面もあります。
そちらも強くなるためには2位以下の参考書と合わせて読むと良いでしょう。
ただし、リスクを知らずに運動を提供してしまうと、痛い目をみるのは患者様だけでなく、あなたもですからご注意を。
また、辞書のように分厚いため、持ち運びには不便さを感じます。
うちの本棚はかなりのスペースがこのシリーズに持ってかれています 笑
そんな欠点を持ち合わせながらの第1位でした!
おめでとうございます!
~~シリーズ一覧~~
・病気がみえる vol.12 眼科←New!!(2019/06/28)
~~書籍情報~~
・医療情報科学研究所(編集)
・売れ筋ランキング 呼吸器内科学3位
・おすすめ度 4.8 out of 5.0
・2018年12月14日発売
・メディックメディア
2位:『呼吸リハビリテーションの理論と技術
』 25%
呼吸リハビリテーションといえばこれ!と実習時代に教えてもらった参考書です。
呼吸器疾患の方の多くが陥る”呼吸困難感”について濃く触れているため、読んだあとすぐにでも反映できそうな内容となっています。
言うならば、呼吸とリハビリテーションを”つなげる”役割がある参考書ですね。
呼吸の生理学的な話から呼吸器をみるにあたって必要な評価について、そして理学療法で用いる手技の話まで、実習生が欲しい情報が載っていることでしょう。
養成校で呼吸リハに関してどんなリハをしたら良いのか、、、という授業がなかった私にとっては大変参考になった一冊です。
ただ、少し読みづらい感じは否めません。。。
内容的には問題ないのですが、そこがたまにキズですね。
☟立ち読み・試し読みができるサイトを貼り付けておきます☟
http://www.medicalview.co.jp/database/meclib/ISBN4-7583-1495-0/book/index.html#target/page_no=1
~~書籍情報~~
・田中一正 柿崎藤泰(編さん)
・おすすめ度 3.0 out of 5.0
・2014年12月25日発売
・メジカルビュー社
3位:『この30題で呼吸理学療法に強くなる (理学療法NAVI)
』 2.6%
2017年に出版された呼吸理学療法の参考書。
呼吸リハに携わる臨床家なら誰しもが頭を抱えるであろう「呼吸に関する疑問30個」について詳しく解説してくれています。
この参考書の設定としては、【後輩がぶち当たった呼吸リハの壁を、呼吸器リハビリテーションに詳しい先輩が解決していく】のような感じで進行しています。
そのため、
”臨床症状→基礎知識を見直していく”
という流れになります。
実習生にとっては、
・実習でどんなところに着目しながら見学したらよいのかが分かる。
・実習先で見学したときに呼吸器疾患の方の特徴から呼吸器の基礎をおさらいor学ぶことができる。
といった効果もあり、机上の知識と臨床とを結びつけるには最適な1冊です。
持ち運びやすいサイズ感のため、私も学生さんに指導するときに、この参考書を読んでもらいながら見学に入ってもらうこともしばしば。
呼吸器疾患の臨床症状を生理学的・解剖学的・運動学的に説明したいときには大変役立っています。
ただ、会話形式で描かれていることもあり、好みは分かれるかもしれませんね。
見やすいとも見にくいとも言えない、なんとも微妙な感じです 笑
とはいえ、30症例から学ぶ呼吸器リハビリテーションは、経験値として必ず役立って行くでしょう。
呼吸器リハビリテーションに精通している人がどんなことを考えて提供しているのかを知るいいきっかけにもなります。

☟立ち読み・試し読みができるサイトを貼り付けておきます☟
https://www.igaku-shoin.co.jp/prd/tachiyomi/03261/html5.html#page=1
~~書籍情報~~
・高橋仁美(著)
・おすすめ度 4.0 out of 5.0
・2017年10月23日発売
・医学書院
4位:『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全29章]改訂第3版
』 1.3%
理学療法士の業界では知名度があまりなかった。。。かな。
呼吸器内科のDr.にとっての定番書です。
この参考書の魅力はなんといっても”わかりやすく内容が濃い”ことです。
私は『病気がみえる』よりもこちらのほうが丁寧に解説をしてくれている分、参考になっています。
ただ、『病気がみえる』ほど幅広く呼吸器疾患名は網羅されていません。
しかし、実習生さんが見学するであろう呼吸器疾患には十分対応できる幅はあり、呼吸器専門の病院が実習地でなければ困ることはそうそうないと思われます。
こちらも臨床所見から基礎知識へと掘り下げて解説していく形式を取っています。
また、Dr.の参考書とあって、薬のことにも触れているため、呼吸器疾患の病態理解にはもってこいの1冊です。
チーム医療を1スタッフを担う理学療法士として、これからは他職種の考えも知っておく必要がでてきます。
なので実習生のうちから、そこを意識して学んでおくことは決して間違っていないと思います。
その一助をしてくれる最高の1冊であると私は思っています。
また、この参考書はシリーズものとなっており、他にも
『レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室[ベストティーチャーに教わる胸部X線の読み方考え方] 改訂第2版』
『レジデントのための循環器教室〈症例で学ぶ循環器診療のリアル〉』
が同出版社から出ており、どれもDr.だけでなく色々な職種の方から好評を得ているようです。

臨床へでて、少しゆとりを持てるようになったら、病気を”理学療法士”という視点のみで捉えるのではなく、”医療従事者”としての視点で捉え、その中で理学療法を活用できるようになれるといいですね。
そうすれば臨床家としてもさらに一歩を踏み出せるはずです。
そのためにも、理学療法士が出している書籍ばかり読みあさるのではなく、他職種の出す本に手を出してみるのもいいと思いますよ。
☟立ち読み・試し読みができるサイトを貼り付けておきます☟
https://www.jmedj.co.jp/files/item/books%20PDF/978-4-7849-4374-6.pdf
~~書籍情報~~
・長尾大志(著)
・おすすめ度 5.0 out of 5.0
・Amazon売れ筋ランキング 呼吸器内科学10位
・2019年04月12日発売
・日本医事新報社
考察
2019年12月現時点での『呼吸器疾患』部門のNo.1参考書は『病気がみえる vol.4 呼吸器』でした!
このシリーズは以前行ったアンケートの整形外科編と脳血管疾患編でも1位を獲得していましたね!
『整形外科』『脳血管疾患』に引き続き『呼吸器疾患』でもと思うとその強さから、このシリーズはもうセラピストにとってNo.1参考書としての地位を確立していると言っても過言ではなさそうです。

”わかりやすいイラスト”と”低価格”という魅力は、金欠セラピストにとってもありがたい存在です。
それに加え、医師や看護師をはじめとした医療従事者からの絶大なる信頼を勝ち取っていることからも、内容の質は保証されています。
働く職場によって、自分に必要な分野が変わるとはいえ、医療従事者として必ず知っておかなければならない”リスク管理”の面を強力にサポートしてくれる一冊です。
目の前にいる患者様の身体の中で起こっていることを”みる”ことができないと、リスクでしかありません。
善意でやってると思っている治療が、悪に働くこともありますから、ぜひこの『病気がみえる シリーズ』を参考にしてみてください。
それぞれの書籍については、
病態理解・リスク管理をするなら『病気がみえる vol.4 呼吸器
』
臨床のセラピストの考え方に触れたいなら『この30題で呼吸理学療法に強くなる (理学療法NAVI)』
呼吸リハビリテーションの基礎を学びたいなら『呼吸リハビリテーションの理論と技術』
呼吸器疾患を深く学びたいなら『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全29章]改訂第3版』
なのかなと考えました!
それぞれの特徴を把握して、自分にあった参考書をみつけてみてくださいね!
あと、参考書には”その人の好み”がありますので、書店へ実際に出向いて、中身を確認した上でピンとくるものを選ぶことをお勧めします。
少しでも出費を抑える方法
「息苦しい」というのは、想像以上に”辛い”ものです。
SpO2だけで言えば、100mを全力でダッシュしたあとの苦しさ、富士山の山頂で活動しているときの苦しさなどが常にある状態です。
呼吸器疾患に罹患すると、そんな状態のなかで”生活”をすることになるのです。
『24時間息苦しい』
少し想像するだけでも相当なストレスになることがわかりますよね。
そのため、呼吸器疾患の方は体だけでなく、心までもが犯されやすいのです。
過呼吸のように、呼吸器疾患でない人でも緊張すれば呼吸が浅くなります。
それくらい精神と呼吸は強い結びつきがもともとあるのです。
まして呼吸器疾患になってしまったら、、、
そんな病態も知らず、「ADL維持・向上を図るために運動しましょう!」なんて言われたら、患者様はどう思うのでしょうか。
「どうすれば楽になるの?」
「苦しいよ」
「助けてよ」
そんなとき、あなたはどうしますか?
ぜひ、呼吸器疾患は精神面も一緒にサポートできるように病態把握をし、寄り添えるように勉強しておきましょう。
そのために必要な知識が上の参考書には書かれていますからね。
ぜひ、1冊は手元に置いておくことをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。