理学療法士が医学的情報のを解釈する方法。異常値があると何もできないのか?

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実習の基礎

医学的情報の解釈について。異常値があると何もできないのか!?

投稿日:

カルテから医学的情報を収集する。

先日学生さんが「血液データの見方を知りたい」ということで、少しお話をさせていただきました。

その時に思い出したのですが、私は実習地の指導者に、血液データのような養成校で習わない知識系(特に医学的情報)のことを実習で教わるのが、ものすごく負担だったな、、、ということでした。

そして、家に帰ってからは、ただでさえ、実習での体験を処理することに苦戦しているのに、また一から勉強のし直しをするのか、、、ほかのやるべきこともたくさんあるのに、、、と絶望した記憶があります。

 

 

そのため、今回は理学療法士である私が ”理学療法における医学的情報の解釈の仕方" をまとめていきます。

 

 

参考図書・参考サイトの紹介

私が検査データを解釈するにあたってよく参考にする図書はこちらです。

『リハスタッフのためのイチからわかる臨床検査値活用術』です。

 

 

もしくは

日本健康増進財団HPにある「健康診断の手引き-検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた」(http://www.e-kenkou21.or.jp/guidance/guidance02

をよく参考にさせてもらっています。

 

 

医学的情報は身体の内部を知るための検査結果である。

医学的情報は患者様にとっても、自分自身にとっても、見逃してはならない大切な評価です。

というのも、血液データや心機能検査、レントゲン画像などは普段我々の目からは見えない、身体の内部を可視化したものだからです。

 

一見、元気そうな方でも、身体の内部は元気じゃない。。。

という方はたくさんいらっしゃいますよね。

そんな方の身体の内部状態を把握するためには、これらの医学的情報を解釈していく必要があります。

 

 

医学的情報の重要性に気づけなかった学生時代

私が実習生だった当時は、”なぜ理学療法分野とは違う情報を解釈しなければならないのか” と考え、その重要性を全くといっていいほど理解できていませんでした。

そのため、レポートの型に当てはめるように情報を収集しましたが、それを考察に反映させることもなかったのです。

それに関して当時の指導者からは、特に指摘もなかったため「なんで載せたんだろう?」と疑問に思いながら実習を終えてしまいました。

 

しかし、それは大きな間違いであったと臨床に出てから思い知らされました。

医学的情報を収集し、解釈することは患者様の状態を知る上では欠かせない評価だったと臨床でやっと気づいたのです。

 

 

医学的情報が大切だと気づかされたきっかけ。

私がまだ臨床一年目のころ、あの時はまだ機能面に対しての勉強をたくさんし、その勉強と実習で学んできたことを元に治療に励んでいました。

職場の雰囲気にも慣れ始め、徐々に他部署の方とのコミュニケーション量も増えてきていたある日。

新患の情報を集めようとカルテをみていた時に、ふと看護師さんから「この方 "CRP" が高いから、まだ離床しないほうがいいかもね。」と声をかけてもらったのです。

 

しー、あーる、ぴー??

その当時はそんな知識レベルでした 汗

 

"CRP" がなにを指すものなのかわからなかったため、即リハ室へ戻り、先輩に質問してみると

「あぁ、炎症反応のことね。人間のカラダは炎症反応が高いと、どっかの組織が炎症を起こしているサインなんだけど、それの回復のためにエネルギーをよく消費してしまうんだよ。そんな状態の時に運動なんかしたら、余計エネルギーを消費してしまって、カラダはへとへとになっちゃうよね。」

という指導を受けました。

身体機能ばかりに着目していた私は、猛烈に反省しました。

 

この方(内部疾患の患者様)が《帰れない原因》に着目しすぎて、《入院した原因》をおざなりにしていたことに気づいたのです。

 

 

 

理学療法士が異常値を知ることはリスク管理に繋がる。

この一件から、私は医学的情報の解釈を必ず行うようになりました。

 

目に見えない身体の内部の状態を知ることが、患者様の状態を把握することに繋がり、結果としてリハビリを行うにあたってのリスク管理となったのです。

 

身体の内部を知ったことで、私の提供するリハビリが身体へもたらす作用が余計な身体負担になっていないか、また、効果として現れているのかといったフィードバックにも活用することができるようになりました。

各検査値がどのような意味を持つのか、はたまたそこから考えられるリスクはどんなものが潜んでいるのかということは、専門書をご覧下さい。

この世界を知ってしまうと、リハビリで行っていたことが、実はリスクに抵触していた。。。なんてことに気づく場合も少なくありません。

そして、そこでやっと患者様の置かれている状況を深く理解できるのです。

 

 

高齢者は異常値ばかりである。

とはいえ、高齢になるにつれて、もともと普通に生活していても、いわゆる異常値と呼ばれる基準値外にいる方はたくさんいらっしゃるのです。

長く生きていれば、徐々に機能が衰えていくのも当然です。

また、既往歴や服薬状況、精神状態によりそれらは大きく変動するのです。

 

そのため、異常値だからこれはリスクだからやめなきゃ!と考えてしまうと、高齢者に対するリハビリは何もできなくなってしまいます。

我々の検査結果と同じように、ほかの医学的情報も基準値から外れていたからといって、100%ダメではないのです。

ある程度の ”許容範囲” があるのです。

 

 

医学的情報の解釈の仕方。

上にも挙げましたが、医学的情報には "基準" が設けられていますが、その範囲を超えた中にも患者個人の背景によって "許容範囲" があります。

これは医師が決めるものなので、我々理学療法士がそれに関与することはありませんが、そういうこともあるというくらいは覚えておいて損はないでしょう。

 

ただ、許容範囲があるからとはいえ、逸脱した値に関してはリスクとして捉えなければなりません。

リスクとして考慮する際に、

検査項目が

・なにを表しているのか
・基準外にあると、どんな影響が身体に及ぶのか
・どうしたら治るのか
・どうしたら悪化するのか
・そこから予後予測が立てられるのか

という点に着目して解釈するようにしています。

 

 

 

医学的情報と理学療法。

では、この異常と解釈された項目に関して、理学療法とつなげたときにどういった解釈をするのがよいのかについて触れます。

理学療法では、身体機能の向上を図りますよね。

その際、身体の中で起こっている現象について考えてみると、

運動をすることで

・筋骨格系
・呼吸器系
・脳神経系
・循環器系
・代謝系
・内分泌系

への生理学的な変化が起こります。

この生理学的な変化が、どう検査値に影響するのか(良し悪しにかかわらず)を考慮しながら解釈する必要があります。

 

具体的には、

・炎症の度合いを示すCRPが高値であれば、運動をするとエネルギーが枯渇状態になりやすいため、炎症部位の治療遷延化・疲れやすい・筋肉量が減るなどのリスクが考えられる。

・栄養状態の指標であるアルブミンが低値であれば、運動をすると低栄養状態を促進しやすいため、むくみの出現・疲れやすい・意欲低下などのリスクが考えられる。

・心拍出量が低値であれば、運動すると心臓への血流量が増大しやすいため、心肥大・うっ血・むくみの出現などのリスクが考えられる。

などです。

これはほんの一部ですし、途中の生理学的な変化をすっ飛ばして書いています。

なので、養成校で習う生理学の授業を見返してみて、検査値からあぶりだしたリスクと照らし合わせましょう。

 

そのために『リハスタッフのためのイチからわかる臨床検査値活用術』はとても役立ちます。

 

 

または、《私が学生のころに目を通しておきたかった!実習生にオススメな参考書特集》の記事でも触れたように、『病気がみえる』シリーズを参考に解釈していくとよいかもしれません。

 

 

これはシリーズものなので、運動器だけでなく、呼吸器や循環器、腎臓、代謝などの分野もそれぞれありますので、患者様の状態に合わせた参考書をそろえておくと良いでしょう。

 

 

この記事を読むと再度、生理学の大切さに気づきます。

当たり前だけど、養成校で勉強している科目で必要のないものなんてないのですね。

 

最後に

臨床実習中はなかなか全部理解していくのは難しいと思います。

ただ、この知識は臨床においても大変役立つ知識です。

ぜひ、実習が終わってからでもいいので、復習項目の一つとして候補にあげておきましょう。

 

患者様の身を守るために。

あなたの身を守るために。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引き続き、『リハぶっく』をお楽しみください。

 

 

 

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