臨床実習で役立つおすすめ参考書の比較していきます【整形外科編】
『リハぶっく』では、Twitterにて、アンケートによるPT実習に役立つ参考書No.1決定戦を分野別に開催しております。
今回は”整形外科”の分野における最新の人気参考書を調査した結果をお伝えします。
整形外科のNo.1決定戦では、数ある参考書の中から、独断と偏見で『整形外科理学療法の理論と技術』『病気がみえる 運動器・整形外科』『疾患別整形外科理学療法ベストガイド』『関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション』を候補に挙げました。
これらの参考書は私が学生さんにおすすめするものです。
だから、どれを手にとっても実習の、臨床での強力な味方になってくれるはずです。
その中でも人気である書籍はどれなのか、ほかの方の意見も参考にしたいなと思い立ち、アンケートをするにいたりました。
医療系の参考書は理学療法士の分野も値段が高いため失敗はしたくないですよね。。。
整形外科の知識はセラピストにとっても重要になってきますから、ぜひこれらの比較を参考に選んでみてください。

その他の分野に関しては以下の記事にまとめて掲載しております。
⚔️実習で役立つ参考書No.1決定戦🛡
【整形外科疾患編】
実習のとき役立った‼️
実習生のときに出会いたかった‼️
臨床でも使える‼️
いまだに重宝している‼️そんな参考書に投票ください。
※その他にオススメがある場合はその参考書をご連絡いただきたいです🤲
皆さまの知恵を拝借させてください🙇♂️
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) November 27, 2019
少しでも出費を抑える方法
アンケート結果
総括
お急ぎの方のために総括をはじめに。
2019年11月現時点での『整形外科』部門のNo.1参考書は『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』でした!
このシリーズはもうセラピストにとっても、必須といってもいいくらいの地位を確立しているのではないでしょうか。
私自身もこのシリーズに大変お世話になっており、臨床では欠かせない一冊となっています。
”わかりやすいイラスト”と”低価格”という魅力は、金欠セラピストにとってもありがたい存在ですね。

それぞれの書籍については、
病態理解・リスク管理をするなら『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』
疾患別の”答え”が知りたいなら『関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション』
一歩進んだ臨床家を目指すなら『整形外科理学療法の理論と技術』
疾患別に理学療法の基礎を学ぶなら『疾患別整形外科理学療法ベストガイド 下肢編』
なのかなと考えました!
それぞれの特徴を把握して、自分にあった参考書をみつけてみてくださいね!
投票数
75票!
1位:『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科
』 37%
整形外科疾患を生理学的な観点から学ぶことができる参考書。
病態理解をするための知識は、この一冊で十分と言っても過言ではありません。
我々理学療法士は病態を知ることで、”リスク管理”や”予後予測”を立てることができます。
これらは病院で働く医療従事者として、患者様はもちろん、自分を守るためにも知っておかなければならない知識です。
そのため学生さんや新人さん向けとなっている印象です。
このシリーズ、実は私も実習時代からお世話になっております。
しかし、当時はまだ『運動器・整形外科』は刊行されておらず、今か今かと待ちわびていたのが懐かしく感じます。
それから臨床へ出ても運動器のものが出なかったため半ば諦めモードでしたが、とうとう2017年になり刊行されることが決まったのです。
その時は本気で実習生さんに嫉妬したくらいです。

そんな思い入れのある参考書が1位を獲得できて、個人的に嬉しく思います。
ほかのシリーズ同様、内容の濃さはもちろん、わかりやすさと低価格なのも人気の理由。
学生~新人さんにとっては強力な味方になってくれることでしょう。
また、実習や臨床だけでなく国試対策の参考書としても、大変役立ちます。
掲載してあるQRコードから3Dで関節を動かすことができたりするので、イラストや言葉だけでは覚えられない方は特に重宝するでしょう。
そう言った意味でも、”みえない”世界を”みえる”ようにするには、この一冊がおすすめです。
ただ、この『病気がみえる シリーズ』に関しては病態理解がメインなので、運動や理学療法との関連は弱い面もあります。
そちらも強くなるためには2位以下の参考書と合わせて読むと良いでしょう。
ただし、リスクを知らずに運動を提供してしまうと、痛い目をみるのは患者様だけでなく、あなたもですからご注意を。
また、辞書のように分厚いため、持ち運びには不便さを感じます。
うちの本棚はかなりのスペースがこのシリーズに持ってかれています 笑
~~シリーズ一覧~~
・病気がみえる vol.12 眼科←New!!(2019/06/28)
~~書籍情報~~
・医療情報科学研究所(編集)
・売れ筋ランキング 整形外科1位
リハビリテーション1位
・おすすめ度 4.3 out of 5.0
・2017年06月17日発売
・メディックメディア
2位:『関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション
』 35%
2位とは言え、たった2%の僅差でした。
それもそのはず。
おそらく、内容的に学生さんは一番コレを求めているんじゃないかなーと思います。
この書籍は臨床でよくみられる疾患・症状別にどんな風に理学療法を展開していくのかというある種の”答え”が載っています。
いわば、臨床家による症例報告をまとめたような一冊です。
『ナビゲーション』という名からもわかるように、これを基準に統合と解釈、そして考察を派生していくことができるように、疾患・症状別に丁寧な解説が載っています。
学生さんや新人さんなどは、まだ自分の考えに自信を持てないと思います。
なので、教科書レベルでの仮説が一本あなたの中にあるだけで、とても安心しながら考察をすることができるでしょう。
目の前にいる患者様の症状は、その強固な仮説と比べ、どの部分が異なるのか、また類似点はあるのか、、、
と、一本の仮説をもとに派生していくと、何パターンもの仮説が生まれていきやすいのです。
ちょっと商品紹介からはズレてしまいましたが、、、
そんなことができる書籍となっております 笑
ちなみに2018年11月に発売されたばかりの4位”ベストガイド”も同様のことがまとまっている書籍ですので、学生さんや新人さんはそちらと比較してみても良いかと思います。

☟立ち読み・試し読みができるサイトを貼り付けておきます☟
上肢・体幹⇒ ( http://www.medicalview.co.jp/database/meclib/ISBN4-7583-1478-0/book/index.html#target/page_no=1 )
下肢⇒ ( http://www.medicalview.co.jp/database/meclib/ISBN4-7583-1479-9/book/index.html#target/page_no=1 )
こちらは2部作となっておりますので、重要度が高いものをお選びくださいね!
~~書籍情報~~
・整形外科リハビリテーション学会(編さん)
・おすすめ度 4.4 out of 5.0
・2014年03月28日発売
・メジカルビュー社
3位:『整形外科理学療法の理論と技術
』 6%
正直、ここまで支持率が低いとは思いませんでした。
私が臨床実習で指導者からおすすめされたのが、これでした。
当時の指導者からは「これが理解できれば臨床家の仲間入りだね」なんて言われたのを今でも覚えています。
というのも、昔の本でよくありがちな、専門用語ばかりが羅列してあって難読する系の本ですから、実習生さんには優しくない印象です。

とはいえ、内容は一昔前の臨床家の多くはこの書籍で育ってきたようなものです。
整形分野のバイブル的な存在として君臨していました。
未だに読み返しても、頭に「??」が浮かぶこともありますが、理論的な解説には随分助けられています。
運動連鎖の話も多く、読み応えがあります。
実習中はほかの読みやすい書籍でも良いかもしれませんね。
~~書籍情報~~
・山嵜勉(編集)
・おすすめ度 4.1 out of 5.0
・1997年04月01日発売
・メジカルビュー社
4位:『疾患別整形外科理学療法ベストガイド 下肢編
』 2%
残念ながら、今回のアンケートでは票があまり集まりませんでした。
2018年の11月に発売されたばかりゆえにかなとも思います。
個人的には2位の”ナビゲーション”を意識して作られた書籍なのかなと思いました。
こちらも、”ナビゲーション”と同様、疾患別にどういった思考で治療にあたっていくのかという”ガイド”を示してくれています。
そのため、学生さんや新人さんにとっては、疾患に対する仮説の立て方の見本を知ることができます。
2つの書籍を比較してみると、
2位の”ナビゲーション”と比べて、こちらは教科書的な要素が強い印象です。
載っている疾患が”ナビゲーション”よりは少ないのですが、その分、教科書的な知識も掲載されているため、おさらいもできます。
曖昧な知識が多い方は、これ一冊で完結できるため、おすすめです。
☟立ち読み・試し読みができるサイトを貼り付けておきます☟
~~書籍情報~~
・相澤純也 中丸宏二 平尾利行(編集)
・おすすめ度 5.0 out of 5.0
・2018年11月08日発売
・中外医学社
考察
2019年11月現時点での『整形外科』部門のNo.1参考書は『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』でした!
このシリーズはもうセラピストにとっても、必須といってもいいくらいの地位を確立しているのではないでしょうか。
”わかりやすいイラスト”と”低価格”という魅力は、金欠セラピストにとってもありがたい存在です。
それに加え、医師や看護師をはじめとした医療従事者からの絶大なる信頼を勝ち取っていることからも、内容の質は保証されています。
働く職場によって、自分に必要な分野が変わるとはいえ、医療従事者として必ず知っておかなければならない”リスク管理”の面を強力にサポートしてくれる一冊です。
目の前にいる患者様の身体の中で起こっていることを”みる”ことができないと、リスクでしかありません。
善意でやってると思っている治療が、悪に働くこともありますから、ぜひこの『病気がみえる シリーズ』を参考にしてみてください。
それぞれの書籍については、
病態理解・リスク管理をするなら『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』
疾患別の”答え”が知りたいなら『関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション』
一歩進んだ臨床家を目指すなら『整形外科理学療法の理論と技術』
疾患別に理学療法の基礎を学ぶなら『疾患別整形外科理学療法ベストガイド 下肢編』
なのかなと考えました!
それぞれの特徴を把握して、自分にあった参考書をみつけてみてくださいね!
あと、参考書には”その人の好み”がありますので、書店へ実際に出向いて、中身を確認した上でピンとくるものを選ぶことをお勧めします。
少しでも出費を抑える方法
学生さんの多くは"理学療法士"といえば『スポーツ』や『痛み』の分野で活躍しているイメージを持っているかと思います。
整形外科はそういった分野だけでなく、『高齢者』や『小児』『脳血管疾患』など、多岐にわたって関わってくる領域となります。
理学療法士として働いていて整形外科疾患の方と出会わない…ということはまずないでしょう。
つまり、整形外科の知識に関しても必須のものと言えるのです。
だからこそ、実習でも一度はみる機会があるはずです。
なので、少しでも病態についてや、理学療法の組み立て方について知っているだけで、見学・実習の質は大きく変わるでしょう。
特に臨床で出会う整形外科疾患の方は"治る" "完治する"と思ってリハビリを受ける方が多いのです。
その気持ちに寄り添うとき、これらの参考書は大変役立つでしょう。
ただ、整形外科疾患も他の領域と同様に、"答え"から外れたケースと出会うことが多々あります。
そんなとき、自分の力で解決できるように解剖学や運動学、生理学等の学校でならった基礎知識がキーとなります。
この基礎知識なしでは、どんな方も"治す"ことはできません。
それを踏まえると、やはり『病気がみえる』シリーズは、万能であると私は思っています。
そんなことも参考に色々と手にとってお気に入りの参考書を見つけてみてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。