理学療法士が知っておきたい細やかな配慮について
リハビリを行っていく上で、信頼関係の構築は必要不可欠であるものです。
信頼関係がないとリハビリは成り立たず、せっかく行っているリハビリの効果が低下してしまいます。
そんなことになっては、お互いのためにならないですよね。
信頼関係を築くためにはコミュニケーション能力が必要です。
さらにコミュニケーションを円滑に図るためには相手を思いやる心であったり、配慮というものが必要となってきますよね。
なので、今回は医療に携わる方なら今後知っておいたほうが良いと思われる、細かいけれど、とても大切な配慮について綴っていきます。
ネームプレートは信頼関係を構築するためには必要な道具である
今回は細かい配慮の中でも、名札、ネームプレート、ネームタグ、ネームホルダー、、、
それぞれの施設によって呼び名は異なるかもしれませんが、名前を提示しているあれについてまとめます(以下ネームプレート)。
ネームプレートを付けるメリット
まず、ネームプレートを付けることで得られるメリットです。
・名前を覚えてもらえる
・話しかけやすくなる
・名刺を常備できる
・取得した資格から新たな仕事を得ることができる
このように、ネームプレートを装着することで多くのメリットがあります。
そしてその中には、信頼関係を築く上で欠かせない要素が含まれていることがわかります。
「名前」と「肩書き」を知ることは、はじめましての方にとっての安心材料なのです。

ネームプレートを付けるデメリット
まず、、、
ネームプレートは患者様に当たる機会が意外と多い
ということを覚えておいてください。
例えば、医療者が前かがみになる時や寝返り・移乗の介助をする際です。
医療者が前かがみになる場面とは
・ベッドで寝ている方の体温や血圧を計る際に前かがみになる
・採血をする際に前かがみになる
・リハビリで臥位の患者様の、股関節の屈曲可動域を計ろうと、前かがみになる
などが挙げられます。
他にも前かがみになる機会はきりがないほど多いので、自分自身の行動を客観的に見直してみるのも良いでしょう。
傍から見ると、すごい格好で職務に従事されている方も少なくありません。。。
また、
介助となると、どうしても患者様との身体と身体の距離感が近くなる傾向にあります。
それも介助が重度であれば重度であるほどに。
中には(間違ったやり方ですが…)抱き抱えるように介助をする方もいるくらいです。
しかし、正しいやり方でも、身体接触は避けられず、さらに前かがみになる場面も出てきます。
介助の際は、患者様のこと・点滴などのルートのこと・麻痺のこと・血圧などのバイタルのことなど、気をつけるべき点がいくつも生じてきます。
否が応にも、注意が散在してしまうのです。
・前かがみになってなにか施術する時
・介助で身体の距離感が近くなる時
どちらも場合でも本来の目的を遂行することに集中しすぎて、ネームプレートまで注意が向かない傾向にあります。
ネームプレートで傷をつけてしまった…なんてことにならないよう、
ネームプレートはぷらぷら垂れやすい
ということも頭の方隅に置いて、落ち着いた行動を心がけましょう。
ネームプレートは職員同士の信頼関係にも影響する
あなたはネームプレートをしっかり付けているでしょうか?
私の勤めている病院でも付けている方とそうでない方いらっしゃいます。
比率で言うと、ややそうでない方のほうが多い印象です。。。
たしかに、上のデメリットで挙げたように、直接的に身体介護をする側にとっては、正直、少し邪魔な存在であります。
しかし、患者様やそのご家族の方々にとっては名前や資格がわかるという安心感や、名前を覚えるのが苦手な方でも、すぐに確認出来るなどのメリットもあります。
特に医療従事者の衣装や、マスクは皆同じものを着用しています。
この条件下では、慣れていない方(慣れている職員同士ですら…)にとっては皆同じように見えてしまいます。
そこでネームプレートの出番です。
これが存在することで、あなたに関わるすべての人は、ネームプレートをちらっと確認するだけであなたをすぐに見分けることができます。
そもそも、職員同士でもコミュニケーションを取る際に名前がわからないまま話すのは、少々心苦しいものがありますよね。
それに医療の世界では報告・連絡・相談がとても重要になります。
これを怠ってしまうと、事故にも繋がりかねません。
時には患者様にも害が被ってしまうこともあるかもしれません。
報告・連絡・相談を確実に行なうためには誰から誰に伝達したのか、この情報がないと混乱を招いてしまうので気をつけてください。
他にも自分自身の顔だけでなく名前も一緒に知ってもらうことは、自分の知名度を上げるチャンスとなり、院内外のすべての活動の際にも役立つことは間違いありません。
勉強会を開く際も、名前をみて ”あっ、あの人がやるんだ” と思って参加してくれるような存在にまでなれたら嬉しいですよね。
職域を広げるチャンスを自ら逃してしまわぬよう、ネームプレートはつけておくことを推奨します。
以上でネームプレートがもたらす信頼関係への影響についての話を終えたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。