はじめに
リハビリテーションをマッサージ屋さんと一緒にしないで。
そんな想いで今回の記事を綴っていきたいと思います。
この記事は医療従事者ではない、一般の方々にもご理解して頂けると嬉しいです。
リハビリの人=マッサージの人という固定観念について
リハビリテーションの初回の時に「リハビリの者です」と自己紹介をすると、よく患者様から「マッサージの人だよね!助かるわ」と返されることが多いです。
もうこれは固定観念化してしまっていて、そうせざるを得ない状況にまでなっています。
リハビリとマッサージ屋さんとの違いが分からず、同じものであると認識している方への治療を何度も経験してきました。
便宜上、否定することはありませんが、内心ではこの会話に結構ショックを受けています。
リハビリにおけるマッサージの役割とは?
たしかに、リハビリもマッサージという手技を行う機会が多いですが、それだけで終わることは絶対にありません。
マッサージのみでは、即時性はあるものの、持続性がないのです。
つまり、"その場では良くなっても、帰った時にはもう痛い"という事態になってしまいます。
リハビリテーションとして行われる理学療法や作業療法は"治療"ですので、効果の持続性も求められていきます。
そこで我々リハビリ業界の人たちは、即時性のあるマッサージで身体をケアしてから、その効果が持続できるように、原因を治療していきます。
ケアをしない状態で治療を行っても、原因解明に向けて進み出すことができないからです。
わかりやすく言うと、「変な癖を治すために、身体の状態をリセットさせた状態で、身体に負担のない癖を再び刷り込ませる」というイメージでリハビリは行われています。
そのため、変な癖のせいで困っていた(痛みなどが生じていた)部分は、新しい癖がつくことで、困らなくなるのです。
マッサージ屋さんにおけるマッサージの役割とは?
一方で巷に溢れるマッサージ屋さんは、即時性のある施術のみを行うため、その場ではとても身体が楽になり、すっきりします。
マッサージ屋さんでは色や音、においなど五感を刺激されながら、最高の安楽へと導かれることになります。
これは至福のひと時であるほか言いようがありませんよね。
ただし、「それだけ」です。

マッサージ屋さんのマッサージはその場では最高のひとときを過ごすことができます。
身体がリセットされる心地よさは誰しもが求めたくなるものです。
しかし、それだけではこれまで培ってきてしまった変な癖を、変えることができません。
つまり、またもとのエラーが生じている身体に戻ってしまうのです。
よって、マッサージ屋さんのリピーターが生まれ、対象者はそれから逃れられなくなってしまうのです。
リハビリテーションには必ず"卒業"がある
その場だけの癒しor一定期間の安楽。
どちらも需要があり、それぞれに良さがあります。
現に、私もマッサージに通っています。
疲れている時は特に気持ちが良いですからね。
私個人の意見としては、
疲れを癒すのであれば、マッサージ屋さん。
痛みを治すのであれば、リハビリテーション。
そんな使い分けをして頂けるといいかなと思います。
ただ、ここで謝らなければならないのですが、その使い分けを曖昧にしてしまったのは、リハビリテーション側にあるとも言えるのです。
リハビリテーションの世界にも、マッサージのみで施術を終えてしまうセラピストが一定数いる現状があります。
モノは言いようで、
病院に通って来れることが外出の機会になる。
病院の人に診てもらっているという安心感を得られる。
とマッサージセラピストは言います。
たしかに、マッサージ屋さんよりも、安くて安心感があるのかも知れません。
しかし、医療は本当に必要な方に提供するものです。
その方にとっては必要なのかも知れませんが、ダラダラとマッサージを受けているよりも、
さっさと治してもらって、他のことに時間とお金を割いた方が人生楽しくないですか?
わざわざ病院という重苦しい空間に足を運ぶよりも、楽しいと思える空間に出向いた方が心から健康になると思いませんか?
一般的なリハビリテーションは必ず"卒業"があります。
最初の時点でどうしたら病院通いを辞められるのか、しっかりと目標をセラピストと共有して治療を受けてください。
我々リハビリテーションのセラピストはなるべく病院を通わない方法を提供します。
なので、なるべく早く病院通いから"卒業"できるように、運動も一緒にして、変な癖を治していきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。