日曜日の朝、こんなツイートをしました。
実習期間なんだから遊ぶな!
そんな風潮って今でもある。
言いたいことはわかる。
でもそれを強要したところで、なんにも身に付かない。
時間の無駄。
無駄。
もっと楽しいことに時間を使おうよ。
今しかできないよ。
若い時しかできないよ。
たくさん人生経験を積もう。
— 長谷川さんの『理学療法実習お悩み相談』 (@PTsupervisor) August 24, 2019
今回はこのツイートに関して、これにまつわる私の過去を絡めて深く触れていきます。
実習生にとって、『実習』というものを考えるきっかけになるといいな、と思いながら綴っていきます。
ちょっと宣伝。
私はこの記事に興味をもった学生さんにこそ、この本をおすすめしたいです。
医療者としても持っておきたい視点だけでなく、学生さんが学生時代を有意義なものにするために知っておきたい知恵が詰まっています。
私が伝えたいことの多くがここに集約されていると行っても過言ではありません。
すぐ読めちゃう内容なので、時間みつけて読んでみてね。
実習は精神的につらいものだった
私が学生だったころ、実習期間中の休みの日も朝から晩までかかるような課題を課されていた。
「明日明後日が休みなんだから、ここまでは出来るよね?」
「課題の質によって、来週のやることが変わるから、ちゃんとやってきてね。」
指導者にこう声かけられることもしばしばだった。
課題のためだけに過ごす休日。
課題をこなすためにPCと向き合わなければならない休日。
私はたまらなく嫌だった。
だからあるとき、課題もやらずに部活へ顔を出すことにした。
親からは心配された。
だけど私は、外へ出たんだ。
部活は普段と変わらず活気や笑顔に満ちていた。
夏の時期だったにもかかわらず、グラウンドでは後輩たちが元気に走り回っていた。
雲一つない、青々としたいい空だった。
私はひたすらに身体を動かし、ひたすらに汗をかき、ひたすら笑った。
そんなことをしていたら、一日があっという間に過ぎていった。
「こんな楽しかったんだ」
好きなことに熱中するって、こんなに楽しいものだと、改めてそこで感じたのを強烈に覚えている。
部活から帰ると、待っていたのはやはり課題だった。
なにもやってない、絶望感と焦燥感。
はぁ。。。
一気に現実に引き戻された気分だった。
と、同時に実習を楽しめていない自分に疑問を持った。
『試合に勝つ』ことを目標に練習する部活 と 『理学療法士になる』ことを目標に参加する実習。
なにが違うんだろう?
目標があるのにも関わらず、一方は楽しみながらでき、もう一方はつらいと嘆きながら行っている。
むしろ、今後のことを考えたら、圧倒的に大事なのは後者であるのにもかかわらず。。。
その時はこれ以上悩んでいる時間はないと考えるのを辞めてしまい、課題に取り掛かった。
(もちろん課されたところまでは終わる訳もなく翌日は大変怒られました 笑)
指導者になって気づいたこと
あれから何年も経ち、私は実習指導担当となりました。
何人もの学生さんを相手にすることで、未だに多くの学びを得ることができています。
そのなかでも衝撃的だったものがあります。
それは、《指導者側からすると、学生さんに課題を課すことが”簡単”にできてしまう》ということです。
学生時代あれだけつらかった課題は、出す側からするとほんの些細な一言でできてしまうんだと、恐ろしさすら感じました。
その一言でどれだけ学生時代苦しめられたか、、、
私はこの経験があったので、なるべく私の口からは課題を出さないようにしています。
だって私が実習で伝えたいのはそこじゃない。
私が伝えたいのは、ただ一つ。
これ以外にはないのです。
もちろん、この素晴らしさや楽しさを知るためには、それ相応の知識や経験が必要です。
だからこそ、私は実習生がそれらを自発的に取り組んでもらえるように、タネを蒔き続けている。
この学生さんは、どういった言い方をすれば、自発的に勉強してくれるかな?
どんな経験をすれば、自発的に実習に取り組んでもらえるかな?
そんなタネを要所要所で蒔き、いつか芽吹いてくれると信じて実習を過ごしてもらっています。
なにがその学生にとっての”水”となるのかわからない。
これをみつける面白さ、そしてみつけた時の嬉しさといったら他にはないのです。
もし、指導者が休日にまで勉強して欲しかったら、そう思ってもらえるような指導をしなきゃだよね。
休日をも潰してまで勉強できるような、臨床の楽しさを。
それができてないのに、勉強してこない理由を問いただしても、なんにも出てくるわけないよ。
だってそれだけのメリットを感じてないのだから
— 長谷川さんの『理学療法実習お悩み相談』 (@PTsupervisor) August 24, 2019
このツイートでも触れたように、私は経験上、理学療法士の楽しさを伝え、共有することで学生さんのやる気スイッチが押されると考えています。
ほかの方もそうなのかな?
下のツイートには多くの反応がありました。
勉強した方がいいよ〜
後学のためにも。そうではなくて、
理学療法士ってこんな楽しさがあるんだよ。
でも、それを充分に楽しむためには、こういった知識が必要なんだ。そう言われた方がやる気でるよね。
メリットを伝えられるよりも、
メリットを訴えられたら、やる気のスイッチは入りやすい。— 長谷川さんの『理学療法実習お悩み相談』 (@PTsupervisor) August 24, 2019
実習がつらいなら、なおさら考えてみて!
実習がつらい時、私は無理やり自分の気持ちを押し殺して、耐えて過ごしました。
だけど、せっかく私と出会ったのであれば、それで終わって欲しくない。
なんで実習に来ているの?
なんで実習で課題を行うの?
なんで実習で勉強するの?
なんで理学療法士になろうと思ったの?
なんで?
なんで?
そんなことをもう一度考えてみて。
勉強することはつらいよね。
私もつらかった。
でもね、それは臨床にいけばそうとは感じなくなった。
知識は臨床を楽しむために必要になってくる。
勉強するのがつらいのではなく、勉強しないとつらい想いをするのを知るんだ。
だったら知識を付けて、楽しんだほうがいいよね。
せっかくこの世界に入って、何年も身を染めることになるんだし、楽しまなきゃじゃない?
せっかく実習に行くんだったら、楽しんだほうが私はいいと思うよ。
臨床で楽しむためには、実習での勉強もとっても役に立つから。
ね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。