ようこそ『リハぶっく』へ!

 

当ブログは、実習生向けに理学療法士である長谷川元気が監修しています。

 

『実習』のことや、『お金』のこと。

学生さんにとっても "不安" を抱えやすいこれらのことについて、情報を共有していきます。

 

もうすぐ理学療法士の実習ではCCS(クリニカルクラークシップ)制度が導入されますので、その一助になれば幸いです。

 

少し先を生きている私が、勉強したこと、経験したこと、そして実践していることなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

Web上の 《 おすすめ参考書 》 として、 "あなた" のお役に立ちますように。

長谷川元気

 

※よく更新していますので、【ブックマーク】や【ホーム画面に追加】をしてお楽しみください。

 

デイリーノート

【まとめ】理学療法実習生が知っておきたい、『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』

投稿日:

『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』がある。。。

学生さんと話していると、用いている『言葉』に乖離があることに気づかされるときがあります。

 

その一つに「専門用語」の違いがあります。

実習生さんは各自の理学療法養成校で培う理学療法の基礎的な専門用語を駆使して実習に臨んできます。

一方、臨床家はその基礎的な専門用語に加え、各自が学んできた”好きな理学療法”の言葉をよく用います。

 

この差が生み出すものは、とても大きく、指導者の指導次第ではプラスにもマイナスにも働くことが実体験からわかっています。

私の実習につまずいた原因が、この『言葉の差』でした。

 

 

もちろん、”理学療法士”という専門家と専門家の”卵”とでは『言葉』の重みも理解力も知識量も違って当たり前です。

しかし、その差に気づかず、【当たり前】として指導している実習指導者がとても多い現状があります。

こうなると、指導者と実習生さんとの間には溝ができてしまう...なんてこともあります。

 

さらに”自分の好きな理学療法”の用語を使ってしまえば、余計にその溝は深まりますよね。

用いる言葉が違えば、考え方の前提が違ってきます。

前提が違うので、必然的に学生さんが処理できる指導者の治療やフィードバックの深さも変わっていくのです。

 

 

 

実習は養成校で習った”点”を結んで”線”にするもの。

学生さんが経験する理学療法実習の目的の一つとして、養成校で習ってきた机上の知識が、臨床ではどう利用されているのかを知るために行われますよね。

「点と点を結んで線にするのが実習」なんてよく言われているのを聞いたことがある人もいるでしょう。

しかし、【基礎知識で挑む実習生】と【自分の好きな理学療法をする指導者】の頭の中は打っている点が違うのです。

 

つまり、"自分の好きな理学療法"を指導する指導者に当たってしまった実習生さんにとっては、実習で”新たなる点”を打っていく作業が必要になってしまいます。

 

繰り返しになりますが、学校の【授業】で得た知識を、実習では【テスト】する場として活用するのが本来の目的ではないでしょうか。

これでは、実習で線を引く以前に、点が広がっていく一方となりかねません。

(これも必要なことですよ)

 

新しい点を打ってばかりでは、理学療法士としての基盤が不安定なものになる可能性が大きくなってしまいます。

そして、働いてから”線”にするというのも、国家資格取得者としては危ない橋を渡ることになります。

なので、実習において指導者は、まず基礎固めをして、基盤がしっかりしてから、新しい点を打つように指導する必要があるのです。

 

ただ、残念ながら、多くの指導者はそこを深く考えずに指導してしまいます。

学生さんにとっては悲報となりますが、多くの指導者は[自分の敷いたレール]を歩いてもらいたがるのです。

自分の好きな理学療法を伝えるために。

 

 

 

用意されたのレールを歩むのは互いに"楽"

指導者側になってわかったのですが、他人を指導するとき、何かしらのレールを敷いて指導するととても"楽"なのです。

学生さんには画一化されたレールの上を歩んでもらうだけなので、逸脱したら修正すれば良いだけになりますから。

学生さんも指導者の方向性が見えている分、やりやすさを感じる人も多いでしょう。

 

病院や施設でも後輩育成に「手技」を採用しているところなんかは、その典型ですよね。

「手技」というレールを敷き、そのレールを歩んでもらえば、一定の力がつく。

指導する側は、用意されたステップ通りに進めばよいことから、今後どう指導すれば良いのかを知っているので、盲目的に指導することができる。

レールから逸脱すれば、軌道修正し、それでもダメならば排除していく。。。

 

どの組織でも同じですが、ある程度決まったレールがないと、指導の質は高められないのも事実です。

しかし、二番煎じ以降の人は、その本質を知らないため、どうしても指導がおざなりになる…という一面もあります。

 

 

 

少し脱線してしまいました。

ようは、

実習生さんは実習で新しい言葉に出会い過ぎると、頭がフリーズしてしまうことがありますよ!

気をつけてね!

という話です。笑

 

 

 

 

そこで、この記事では『言葉の差』を少しでも埋めるべく、理学療法実習生が実習に行く際に知っておきたい、『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』をまとめていきます。

全部をしっかり覚えておく必要はありません。

まずは、なんとなーくの概要を知り、”聞いたことがある”状態にしておきましょう。

これらの言葉の深い知識を得ようとすれば、どこまでも掘り下げられるので、表面的なことだけをまずは知っておきましょうね。

 

 

『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』用語集

さて、前置きが長くなりました。

今回はTwitterで皆様から寄せられたご意見も踏まえて、簡易的に『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』それぞれの用語を説明していきます。

 

 

 

まずは興味のある言葉からみてみてね。

以下の用語をクリックすれば該当箇所に飛べるようになっていますので、ご活用ください。

 

 

 

『体幹』について

この『体幹』という言葉は臨床で最頻出ワードですから、要チェックです!

 

最近はテレビとかでもよく聞くようになりましたね。

スポーツ選手なんかはどの選手も意識しているポイントだと思います。

特にサッカー日本代表の長友佑都選手はそのブームの火付け役ですよね。

 

もちろん臨床でも、この『体幹』という言葉はよく用いられています。

というのも、『体幹』がすべての動作を行う上でのキーワードになるからです。

大半の理学療法士はこの『体幹』に着目しています。

 

「動作を行う上で重要な『体幹』を効かせるために、各身体機能を評価し、治療していく」

 

こう考えているセラピストが多いのです。

「『体幹』を効かせること」が前提となって治療をしていることが多いので、学生さんはこのワードだけでもよく覚えておくようにしてくださいね。

 

『体幹』についての文献でいえば、以下のやつなんかはみやすいですよ!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/12/0/12_29/_pdf/-char/ja

「上肢挙上時の運動側外腹斜筋による体幹安定化メカニズム」 三浦ら

 

詳しくはこちら

 

 

 

最近は、一般書でも『体幹』については学べます。

なので、一般人でもこの『体幹』に関する知識を持ち合わせていることも、、、

理学療法士という身体の専門家として、この分野は一般人よりも知識を持ち合わせておきたいところです。

そういった意味も踏まえて、私はよく一般書でどのくらい深い知識が提供されているのかをチェックしています。

 

 

以下の本では体幹トレーニングのメニューの種類を

とても良本なのですが、高齢者にとっては負荷やレベルが高過ぎるメニューもあるので、患者様に合うよう、治療に用いる際のトレーニングメニュー選定には吟味が必要です。

”長友選手もおすすめしている体幹トレーニング”と紹介すれば、患者様の取り組む真剣さが変わります 笑

 

 

 

 

 

 

『腹圧』について

正確には『腹腔内圧』のことを指しています。

横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋によって囲まれた腹腔、その腹腔の内部にかかる圧のことです。

腹腔は本来、消化器などの臓器が収納されている空間です。

しかし、その外壁は筋肉で上で挙げた筋肉で覆われていることから、理学療法士たちが介入できるポイントの一つであると着目されています。

体幹トレーニングも『腹圧』にアプローチしているものの一つです!

 

 

しかも、この腹圧は姿勢保持をする上ではとても重要な機能があるのです。

骨標本をイメージしてもらうとわかりやすいのです。

骨のみで人の身体をみてみると、お腹のところがやけにすっきりしてみえませんか?

腹部は骨で囲まれていないため、その空間が大きく空いています。

その空間を埋めるのがこの腹腔であり、そしてその腹腔を作っているのが『腹圧』なのです。

 

なので、『腹圧』が低下してしまうと、腹腔が潰れ、姿勢も崩れてしまいます。

理学療法士として、姿勢は重要な介入箇所ですから、これを放っておくことはできません。

そういった理由からも、臨床ではよく用いられている言葉ですね。

 

 

『腹圧』の文献でいえば、こちらが読みやすいかと。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/24/4/24_4_489/_pdf/-char/ja

「腰部ベルト装着時の静的・動的立位バランスの特性」 松田ら

 

 

 

 

 

『運動連鎖』について

臨床においては、「運動療法を提供する上では欠かせない知識の一つ」としての地位を確立しているものです。

OKCトレーニングとCKCトレーニングを理解するためには、この理論を知っておくとトレーニングメニューの幅が大きく広がるでしょう。

 

また、姿勢の評価時にも大変参考になり、多くの理学療法士がこの考え方をもとに治療に励んでいます。

筋肉ではなく、骨や関節から身体を評価することができる考え方ですね。

 

 

『運動連鎖』について詳しくはこちらの文献をご参照ください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/22/1/22_1_17/_pdf/-char/ja

「運動連鎖とエビデンス」 佐藤ら

 

 

 

 

 

『姿勢戦略』について

”戦略”という言葉はよく理学療法士が使う用語です。

姿勢戦略の他にも、動作戦略、足関節戦略、膝関節戦略、股関節戦略など、、、

要は、身体がその機能を保つために、どういった方法が取られているのか、どういった方法を使っているのか、ということを格好良く言っているものです。

戦略、、、いい響きですよね 笑

 

なので、『姿勢戦略』といえば、どうやって姿勢を保っているのかを説明するときによく用いられます。

 

『姿勢戦略』の使い方を以下の文献から引用すると「立位と端材の姿勢調節として肩甲帯と胸腰部は、同様の姿勢戦略で対応していたと考える」となります。

ほかにも「この方の姿勢戦略を考えると、股関節がキーになってきそうだよね」なんて使われ方をしています。

 

『姿勢戦略』についての例としてこんな文献もありました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Aa0146/_pdf/-char/ja

「立位と端座位における体幹の姿勢反応の関係について」 馬場ら

 

 

『姿勢戦略』について詳しくはこちらの文献から。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2014/0/2014_0770/_pdf/-char/ja

「立位における随意的前方重心移動時の姿勢制御戦略と静的・動的バランスの関連性について」 落合ら

 

 

 

 

 

『リハ栄養』について

「リハビリテーション × 栄養学」

そのままですね。

リハビリテーションをする際に気をつけておきたい栄養学を学ぶことができます。

 

最近の理学療法士業界のトピックです。

まだ学会としては大きなものではありませんが、これから間違いなく大きくなっていく組織でしょう。

昔から、健康のためには「食事・睡眠・運動」のバランスが欠かせないことが言われていますよね。

その考え方が再度見直され、より科学的に研究が進んでいます。

 

リハビリをする依然に、医療者として評価しておくべき大切な項目です。

学生さんが臨床に出る際には必ず知っておいたほうが良いものの一つだと私は考えています。

 

栄養が足りないと、トレーニングしても筋肉は逆に細くなっていくことがわかっています。

つまり、理学療法士の狙いとは全く逆のことが起こりうる、、、のです。

これを知らないとリスクにもなりかねませんよね。

 

”腹が減っては戦ができぬ”ならぬ、”腹が減っては運動ができぬ”ですからね!

 

 

『リハ栄養』について詳しくはこちらの文献をご覧下さい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/5/40_KJ00008826565/_pdf/-char/ja

「理学療法とリハビリテーション栄養管理」 若林秀隆

 

 

 

 

 

『フレイル』について

『リハ栄養』とも深い関連があるため、こちらも最近のトピックですね。

 

『フレイル』の定義としては、

高齢期において生理的予備機能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進して不健康を引き起こしやすい状態

です。

 

また、『フレイル』は現在厚生労働省が推進している『地域包括ケアシステム』を語る上では欠かせない用語となっております。

つまり、地域の高齢者が、この『フレイル』状態になる前に、リハ職として介入できるような体制を整えることが疾病・障害予防になるという考え方につながります。

 

病院を退院したあとの生活を考えるところまでが理学療法士の仕事です。

その視点を広げるためには『フレイル』という言葉を知っておくと大変役立ちますよ。

 

『フレイル』について詳しくは、こちらの2つの文献をご参照ください。

2つ読んでやっと理解が進むと思います。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/107/12/107_2444/_pdf/-char/ja

「フレイル・サルコペニア」 荒井秀典

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/28/1/28_3/_pdf/-char/ja

「老化とフレイル」 牧迫飛雄馬

 

 

※フレイル・サルコペニア・ロコモの3つはよく混合されがちなので、しっかり定義を覚えて、患者さんに聞かれた時に説明できるようにしておきましょう。定義した団体が異なることにも着目してみてね。

 

『フレイル』:高齢期において生理的予備機能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進して不健康を引き起こしやすい状態。(日本老年学会)

 

『サルコペニア』:加齢による骨格筋量の減少と筋力および身体機能の低下した状態。(現状いろいろな学会が提唱しており定まったものはない。。。)

 

『ロコモティブシンドローム』:運動器の障害による移動機能が低下した状態。(日本整形外科学会)

 

 

 

 

 

『摂食嚥下』について

こちらも『リハ栄養』関連で着目されている分野です。

読み方は「せっしょく えんげ」です。

 

ごはんを食べる動作→摂食

ごはんを飲み込む動作→嚥下

 

どちらも筋肉が作用して行われる”運動”です。

特にこの分野は言語聴覚士が主に介入していた分野でしたが、理学療法士としてもかかわる意義が大きいことが見直され、着目されています。

 

学生さんは「ものを食べることができない病気」があるのをご存知ですか?

人が生きる上で「食べる」ことがどれだけ大切な”生きがい”であるのかを、臨床にいくと痛感させられますよ。

 

 

摂食嚥下にどう理学療法士がかかわれるのかを知るには、この文献をご覧下さい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/36/8/36_KJ00005931432/_pdf/-char/ja

「摂食・嚥下障害における理学療法の役割とEBPT」 神津ら

 

 

摂食嚥下障害のリハビリテーションの基礎について学びたい方はこちらの文献をご覧下さい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/61/1/61_1_12/_pdf/-char/ja

「摂食嚥下障害のリハビリテーション」 真野英寿

 

 

私はこの『摂食嚥下』『リハ栄養』の分野に特に興味があり勉強していますので、もし興味が湧いた方は少しお話をしましょう!Twitterにてご連絡お待ちしております。

 

 

 

 

 

『エビデンス』について

『エビデンス』という言葉をリハ職が使っている時に意味するものとしては、主に”根拠”のことを指すことが多いです。

現在の医療はEBM(Evidence Based Medicine)つまり、根拠に基づいた医療を提供することが求められています。

この根拠とは信頼性の高い臨床研究による実証結果によって得られた知見のことです。

理学療法士の間ではEBPTとして記載されていることが多いですね。

 

 

科学的な根拠もなく、リハビリを提供しているとあなたも患者様も痛い目に合います。

これだけ科学が進歩している中、なんとなくでリハビリを提供しているセラピストが多い現状。

現 理学療法士協会会長の半田一登氏は「理学療法士は科学者であれ」とコメントしています。

学生さんには常に意識して欲しい用語です。

 

『エビデンス』の理解を深めるためにはPT協会のサイトがわかりやすいです。

http://jspt.japanpt.or.jp/ebpt/

「根拠に基づいた理学療法」

 

このサイトの「EBPTワークシート」では、EBMに順守した症例の介入例を提示(2019年12月現在は23症例)しています。

実習にも大変役立つサイトなので、ぜひご覧下さいね。

 

 

 

 

 

『ガイドライン』について

一般的に、物事を判断する際に用いられる基本指針のことを指します。

マニュアルのような絶対的なものとは違い、あくまで指針です。

なので、”ガイドライン通りにしなければならない”という法的な強制力は持ちません。

 

中には、これを勘違いしてガイドライン通りにやろうとしている理学療法士もいるようですが、そのように使うためのものではありませんからね。

とはいえ、こういった指針があることで、特に学生さんや新人さん、新たな分野に挑戦するセラピストにとっては、大変役立つ情報となっています。

”まずはここから”始めてみましょうね。

 

 

理学療法士も「理学療法ガイドライン」なるものが理学療法士協会によって作成(2011年)されています。

2020年には「理学療法士ガイドライン 第2版」が完成予定です。

以下のURLはPT協会のHPに載っているガイドラインの案内ページです。

http://jspt.japanpt.or.jp/guideline/

「理学療法ガイドライン」

 

全部を読もうとすると、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ時間がかかりますのでご注意を。

まずは興味のあるところから読んでみてね。

 

また、ガイドラインはなにも理学療法士の業界だけが作成しているものではありません。各疾患に関してそれぞれの治療方針が打ち出されています(有料のものも、無料のものもあります)。

 

以下のサイトでは厚生労働省の委託事業として、”日本医療機能評価機構”が診療ガイドラインをまとめて掲載してくれていますので、ぜひご活用ください。

https://minds.jcqhc.or.jp/

Mindsガイドラインライブラリ

 

 

 

 

 

『筋膜』について

最近のテレビ業界でも”トレンド”といっても過言ではないくらい目にする機会があると思います。

『筋膜』という言葉がこれだけメディアに露出しているため、患者様から専門家にみてもらいたい!という要求があるくらいに知られているものです。

 

『筋膜』という言葉自体はもともと、養成校で履修する解剖学でも習うものですよね。

その名のとおり、筋を覆う膜です。

この膜を臨床的に解釈していくと、筋膜は単に筋を覆うだけでなく、靭帯や腱を通じて全身の筋肉を関連付けているものであるとされています。

つまり、筋膜は”全身のネットワークを形成している”ともいえるのです。

ということは、一箇所の筋膜のエラーがあるだけで、それが全身にも影響が及んでいく、、、ということも容易に考えられますよね。

 

 

また、筋膜には自動収縮能があり、”感覚器”としても重要視されています。

感覚器であれば理学療法士としてもアプローチすることができます。

つまり、筋膜は理学療法士が変えることのできる組織であるということです。

 

これらの機能から、近年、理学療法士の間でも介入箇所のひとつとして着目されています。

 

ただ、『筋膜』はそうそう簡単には矯正できないという否定的な研究論文もありますので、テレビで取り上げられているからと盲目的に信じないようにしておきましょうね。

 

 

『筋膜』について詳しくはこちらの文献がおすすめです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/39/4/39_KJ00008113255/_pdf/-char/ja

「軟部組織に対する徒手的理学療法」 竹井仁

 

 

※今話題の『アナトミートレイン』もこの『筋膜』に着目したものとなっています。

ちなみに、アナトミートレインは「筋膜を考えれば、人間の運動は筋それぞれ単体で説明できるものではなく、いくつかの筋が協調的に作用しているという考え方もできませんかね?」という”提案”をしたものです。

つまり、「解剖学で学んだようなそれぞれの筋単体で人の身体は動いていないのだから、局所に着目せずに、全身で身体を評価していこうね」という新たな知見を与えるきっかけとなった考え方です。

絶対的なものではありませんので、この知識を使用する際は十分にご注意ください。

 

 

 

 

 

『筋連結』について

解剖学の参考書では筋はそれぞれが腱を通じて骨に付着しているとされていますよね。

しかし、実際は隣接する筋と筋同士も筋膜等を通じて付着していることがわかっています。

これを『筋連結』といいます。

 

臨床的には『筋連結』のある部分は単独収縮を行うことができず互いに作用し合うということが重要なポイントとなってきます。

というのも、学生さんがよく用いるMMTは各筋に対して検査・測定されていますが、『筋連結』があることでその理論では説明できなくなってしまうのです。

つまり、人は各筋での作用のみで部位を動かしているのではなく、隣接する筋が協調的に働くことで”動作”を作っていることになるのです。

すなわち、筋膜やアナトミートレイン同様に「人の動作は全身的にも評価していく必要があるよ」と解釈することができるのです。

 

 

少し古い文献ですが、『筋連結』についての詳細はこちらの文献をご参照ください。

こんな古くから着目されていたんですね~

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/26/3/26_KJ00001308130/_pdf/-char/ja

「筋のかたちとストレッチング」河上敬介

 

 

 

 

 

『滑走性』について

『滑走性』は『筋膜』とも大きな関連があるものです。

筋の収縮時に筋と筋、筋と他組織の『滑走性』が低下していることで、疼痛が発生すると考えられています。

整形疾患をみることの多いセラピストが、よく診ているポイントの一つです。

最近Twitterだと、エコーを用いてこれらを評価したりしているところをよくみかけますね!

エコーはこれからの理学療法士業界のトピックになりそうなので、『滑走性』もさらに注目が集まりそうです。

 

 

『滑走性』について難しいところまで触れるとなると、以下の文献がおすすめです。

生活習慣や既往歴の代償により筋膜に負荷がかかり、筋外膜に高密度化が生じると、3層からなる深筋膜の層の間、および深筋膜と筋外膜の間の疎性結合組織に存在するヒアルロン酸が凝集し、ヒアルロン酸の濃度が高くなることで、粘稠性が増大し、深筋膜の滑走に障害をもたらす。

また、筋外膜は筋周膜に連続しているため、筋外膜の高密度化は筋膜全体にその滑走障害をもたらす。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/31/1/31_99/_pdf/-char/ja

「筋再教育運動が筋膜リリース後の筋筋膜の伸張性および筋力に与える影響」 勝又ら

 

 

また、『滑走性』は”痛み”だけでなく”可動域制限”にもなりうるものですので、こういった文献にもよく登場してきますね。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/32/4/32_KJ00003799828/_pdf/-char/ja

「関節可動域制限治療を考える」 倉田繁雄

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/24/3/24_KJ00001307930/_pdf/-char/ja

「理学療法におけるストレッチングについて」 倉田繁雄

 

 

 

 

 

『インナー効いてなくてアウター優位』について

臨床では主に肩関節や股関節、体幹、麻痺にアプローチしている際によく聞かれる言葉です。

言わずもがな、インナーマッスル(深層筋)とアウターマッスル(表在筋)ですね。

 

臨床的には、インナーマッスルが効かず、アウターマッスルが優位になることで

・巧緻動作が苦手になる

・痛みが発生する

・疲れやすくなる

などの所見がみられるようになります。

 

こうなることで骨・関節・筋等への負担が増大し、身体には慢性的な負荷がかかった状態になってしまうのです。

理学療法士は、アウターが優位になった原因を生活や癖、原疾患、既往歴等から推測しリハビリテーションを提供していくことになります。

つまり、筋力の有無だけでなく、筋出力のバランスも重要な評価ポイントであることを知っておきましょう。

 

 

『インナーマッスルとアウターマッスル』に関する文献としては以下のものを参考にしてみてください。

学生さんには少し難しいとは思いますが、インナーとアウターについての理解が深まると思いますので、ぜひ。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/6/25_6_893/_pdf/-char/ja

「腰痛の有無にて比較した腹部筋群の筋厚」 村上ら

 

 

 

 

 

『カップリングモーション』について

脊椎の話。

1905年にLovettという方が提唱したもの(ごめんなさい何者かは知りません、、、)。

胸椎:側屈と回旋が同方向で起こる。

腰椎:側屈と回旋が逆方向で起こる。

メカニズムはわかっていないそうなので、とりあえず現象として”そうなる”ことを知っておく程度でよいかと。

今後の研究に期待ですね!

 

これに関してはいい文献を見つけられませんでした、、、

もしなにか良い資料がありましたらご連絡いただけると幸いです。

 

 

 

 

 

『入谷式』について

いわゆる”神業”をやっていた「入谷誠」先生が主に臨床で行っていた、アプローチ方法『入谷式インソール』のことです。

※インソール=足底板

インソールで姿勢や動作をコントロールすることができます。

 

ただ、どれだけ臨床力のある人が『入谷式インソール』を作っても、入谷先生ほどの完成度はできていないと言われています。

『入谷式インソール』に挑んだ臨床家は”理論は分かっていてもできない”口々にそう言葉を漏らします。

おそらく、入谷先生自身も言語化できていない”なにか”があったのでしょう。

 

実際に講義を受けたことがあるのですが、私はそもそも理論すら理解できなかったくらい難しいと思いました。。。

 

現在、入谷先生は亡くなってしまい、その理論の全容は明かされませんでしたが、後継者として園部俊晴先生がご意志を引き継いでいます。

 

 

『入谷式インソール』に関する情報は、以下の文献に残されています。

学生さんにとっては難解文献の一つだと思いますので、興味がでたらのぞいてみるとよいかと思います。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647368/_pdf/-char/ja

「生活を支えるインソールの工夫」 入谷誠

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/39/4/39_KJ00008113260/_pdf/-char/ja

「足部に関する評価と治療」 入谷誠

 

 

 

 

 

『半球間抑制』について

『半球間抑制』とは、「大脳は本来、左右の半球が互いに協調して作用するために抑制をし合っている」という神経科学の知見です。

これを臨床的に解釈すると、脳卒中後は非損傷側大脳の活性化(健側の使用)によって、損傷側大脳の抑制(患側がさらに)されてしまうことになります。

 

つまり、PTが健側ばかりにアプローチしたり、患者さまご自身な健側ばかりで生活したりすると、余計に患側が使いにくくなってしまう…ことになるのです。

 

このメカニズムを知っているのと、知らないのとでは、脳血管疾患の方に対するリハビリテーションが大きく変わりますね!

 

『半球間抑制』についてイメージしやすい資料を五島有規先生が提供してくださいました!

この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 

 

『半球間抑制』についての文献はこちらが良かったです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/4/41_KJ00009498088/_pdf/-char/ja

「随意運動と interhemispheric interaction の神経生理学的関連について」 上原一将

 

 

 

 

 

『診療報酬』について

『診療報酬』とは、保険証を提示した被保険者(患者さま)に対して行う医療行為に対して、保険医療機関や保険薬局が保険者(国や組合など)から受け取る報酬のことです。

(1点10円で換算されます)

成人の患者様はこの内の3割を負担、小児は自治体によって、高齢者は年収によって自己負担の割合が変わっていきます。

 

この『診療報酬』は2年に一度、社会背景等を考慮した"見直し"が行われています。

この"見直し"が理学療法士にとっては、人生を左右するほどの大きな出来事となります。

というのも、この"見直し"によって我々が提供する理学療法も診療報酬の変更とともに、料金が変わってしまうのです。

つまり、理学療法をしたことによる収入が変わってしまうのです。

ということは、我々の給料にも直結する…ということは容易に想像できますよね。

 

そして、リハビリ関係の診療報酬は近年削減傾向となっています。

ということは、、、

必然的に我々の給料も下がっている…という現状があります。

 

とはいえ、これからの働き方で今後どうなるのかはわかりませんので、悲観的になりすぎる必要はありませんからね。

 

『診療報酬』については、以下の文献が参考になると思います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/12/105_2320/_pdf

「診療報酬の仕組みと改定」 迫井正深

 

 

理学療法士も医療従事者とはいえ、雇用されているサラリーマンです。

【お金】に関しても敏感になっておくと、きっといいことがありますよ。

リハぶっくでは理学療法士として知っておきたい【お金】についての知識も共有しています。

 

興味のある方はぜひご覧ください。

20代のうちに知りたい『お金の話』

 

 

 

 

 

『今月の計画書とった?』について

ここでいう『計画書』とは、リハビリテーションを行う上で必要になる書類で、患者様とセラピストとが結ぶ契約書みたいなものです。

 

基本的にリハビリテーションは医師の指示のもとにセラピストが作成する"計画"に対し、患者様からの同意がなければ提供できません。

その"計画"を示したのが『総合実施計画書』です。

 

 

では、なぜその『総合実施計画書』に対して、『今月の計画書とった?』という言葉がよく聞かれるのかというと…

『総合実施計画書』はあくまで"計画"なので、【ことあるごとに】見直す必要があります。

そして、セラピスト側は【ことあるごとに】見直すことで、月に1度、300点の診療報酬を請求することができます。

つまり、セラピストは月に1度、計画を見直すと300点を請求することができる…とも言えるのです。

 

300点…

学生さんはピンとこないとは思いますが、これはリハビリ職にとって、とても大きい点数なのです。

現在の疾患別リハの診療報酬は1単位(20分以上39分未満)の介入で185点(施設基準の高い運動器疾患の場合)であることから、『総合実施計画書』を作成することは、それ自体に2単位以上の価値が付いていることになるのです。

 

これをセラピストが2単位以下の時間で作成することで、治療以上の収入を作ることができる…

となれば、経営者にとって、これは漏れなく算定したいところですよね。

そのために『今月の計画書とった?』と確認しているのです。

 

こう書くと、なんだか悪どい商売にも聞こえてしまいそうですが、勘違いしてはいけません。

リハビリテーションという医療にとって、"計画"を立てることというのは、それだけ大事なのです。

 

 

 

 

 

『家に帰したくないという、複雑な家庭環境』について

『家に帰したくないという、複雑な家庭環境』については、臨床においてセラピストがとても悩まされるケースの代表的な1つです。

 

退院先がADL的には家という選択肢もアリな方でも、

・認知機能的にナシ。

・介護疲れしたからナシ。

・介護したくないからナシ。

など、受け入れる側との家族関係や家庭環境によって退院先が大きく変わるケースにしばしば出会います。

 

医療従事者にとっては「住み慣れた家だからこそ、身も心も休まるのでは…」と思いがちですが、そうでもないご家庭もたくさんあるのです。

例え患者様ご本人が「家に帰りたい」と思っていても、、、です。

 

我々は不要に他人の家族関係に立ち入ることはできませんので、手出しがしにくい状況なのです。

こういった"拒否"は、一朝一夕に起きたものではありません。

これまでの家族との関わり方という、長年の積み重ねの結果がそうさせています。

そのため、どれだけこちらが「こうすれば帰れますよ!」と情報提供しても、ご家族の方の決意は揺るがないことが多いというのも事実です。

 

 

もし、それでも患者様ご本人が「家に帰りたい」と望むのであれば、我々はもちろん協力していきます。

そんなときは、まず「なぜ受け入れ拒否なのか」を掘り下げることが必要です。

 

・"介護"というイメージが無駄に重くなっていないかな?

・具体的にどんな介護が必要なのか、情報提供したら、アリになるかな?

・介護サービスや地域資源等のサービスの情報を提供したら、うまく活用してもらえないかな?

・入居費、居住費、食費、交通費、娯楽費等、リアルな数字を提示し、比較したらどう思うかな?

などの解決策を提示することもあります。

 

また、ご家族とお話をする機会を設けて、傾聴していくこともあります。

 

そんな理学療法っぽくないことも仕事の一部かなと思います。

勤務先によっては医療相談員がいますので、この部分をお願いすることもできます。

我々の仕事は時間に制約があるので、周りの人材をうまく活用して患者様に寄り添えると良いですね。

 

 

 

 

 

『マッサージ』について

セラピスト間で賛否両論、物議を醸し出している『マッサージ』

理学療法士=マッサージの人

と言われるくらいに皆が行う治療方法の一つですね。

 

もちろん、『マッサージ』には"良い"効果があることは、あなたも体感したことがあるでしょう。

しかし、世間的に"良い"とされているから理学療法士が行っても"良い"というわけではありませんよね。

我々は医療者であり、科学者です。

科学的な根拠を持ってメリット>デメリットだから、『マッサージ』を実施する。

それならだれにも文句言われません。

 

しかし、

盲目的に"良い"からマッサージをする。

というのは絶対にダメです。

『マッサージ』にもリスクがあります。

『マッサージ』をしたことで、"死"を招くことだってあるのです。

 

理学療法士として医療を提供する身が、逆に"死"を招く

恐ろしいですよね。

でも、そんなことが行われている可能性が十分にあるのです。

 

あなたがそうしないためには、

『マッサージ』をしたことで、

・身体にはどんな変化が現れるのか

・どんなリスクがあるのか

等の科学的根拠という判断基準を持っておきましょう。

そして、そのメリットとデメリットを比較し『マッサージ』をするか否かを決めていくことが大切なのです。

 

 

 

 

 

『患者さんのために』について

ここでいう『患者さんのために』というのは、養成校でも習う純粋な『患者さんのために』ではありません。

『患者さんのために』と言っておきながらも、『自分のために』となっている理学療法士のことを指します。

 

※あえて言葉を悪くして説明していきますね。

多くの理学療法士は自己研鑽として"勉強会"にいったり、参考書を読んだりすると思います。

そうして学んできたことを実践するために、目の前にいる患者様で"試す"ことをします。

それが『患者さんのために』なっていると思って。

 

しかし、患者様にとってはいい迷惑ですよね。

練習台にさせられ、挙げ句の果てには悪くなってしまった…なんてことが起きてしまったときには、クレームもんですよ。

せめて、ある程度マスターしてから患者様に提供しましょう。

 

自己研鑽を積むこと自体はとても素晴らしいことです。

むしろ、これからの時代に置いていかれないようにするためには、そうしなければならないとも思います。

 

しかし、それが"誰のためなのか?"をしっかりと線引きをしておきましょう。

 

患者様に適切な治療手段を提供できるように自己研鑽していけると良いですね!

 

 

 

情報提供してくださった先生方のご紹介。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴重なご意見をありがとうございました!

改めて御礼申し上げます。

 

 

長くなりましたが…

以上で『PTの学校では習わないのに、臨床ではよく聞く言葉』の用語集を終えたいと思います。

 

 

まだまだこんなのがあるよ!

という方は、ぜひご連絡くださいね!

随時追加予定です。

 

ではでは!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引き継ぎ『リハぶっく』をお楽しみください。

 

 

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