どうも、長谷川元気です。
今回は私が小耳に挟んだインシデント・アクシデントからの情報提供です。
これはリハビリ従事者だけでなく、看護師さんや看護助手さん、はたまた職場の方全員、そして介護職員の方にも共有していただきたいと思える小さな配慮となっています。
ぜひ職場の方にも共有してみてください。
こんな事例があったそうです。
車椅子に患者様が乗っている状況です。
お昼の時間帯、患者様に乗ったまま食事を摂っていただこうと車椅子を停車させて、移動式テーブルを設置しようと少し患者様から目を離してしまいました。
その瞬間、車椅子の方から
「ガシャン」
振り返ってみると、そこには患者様が前のめりにつんのめっていました。。。
幸い、患者様に怪我等はなかったようです。
どうやら
患者様が立ち上がろうとフットサポートで踏ん張った途端に、車椅子が前方に傾き、離殿に勢いがついてしまい、転倒してしまったとのことでした。
なんで立ち上がろうとしたの?
という疑問はさておき、そのような事例があったことは記憶にとどめて置く必要があります。
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。
それは車椅子の形状をよくみてみるとわかります。
前輪(キャスター) と 後輪(駆動輪) の位置関係に着目してください。
〈普段、車椅子を押しているときの位置関係〉
〈理想的な停車時の位置関係〉
前輪(キャスター)の向きの違いに気付きましたでしょうか?
※同じ車椅子の写真を探し出せていなくてすみません。。。
この向きの違いが何を意味しているのかといいますと、
車椅子本体から前輪(キャスター)へと斜めにのびている銀色のパーツの傾きを比較してみます。
すると、この二枚の写真では前輪(キャスター)と後輪(駆動輪)の間隔が異なることがわかります。
一枚目の写真のように車椅子の駆動時にはこの前輪(キャスター)と後輪(駆動輪)の間隔が短くなっています。
そのため体重がフットサポートにかかると車椅子が前方に傾きやすくなります。
つまり、車椅子を安全に停車させるためには、二枚目の写真のように前輪(キャスター)部分と後輪(駆動輪)との間隔を広げる工夫が必要になります。
では、どうすればよいのか。
それは、”停車させた際には、少し車椅子を後ろへ動かす” だけでよいです。
これにより前輪を回転させることができます。
この小さな工夫をすることだけで、転倒のリスク軽減に繋がるのです。
普段車椅子に座っている際には、バックサポートにもたれて後方に重心があるため、このようなことをあまり意識していなかった方も多いと思われます。
前かがみになる機会があるとすれば、リハビリで机上の作業療法をする際や、食事の際が挙げられます。
このときには、前方へのリーチ動作も多くなり、重心が前方へいく傾向にあります。
すると転倒のリスクも増えますので、ご注意ください。
これからは”停車の際は少し後ろへ引く”ことを意識して、車椅子を停車させてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。