介護保険を利用して介護用品の導入する際に、”改修”と”レンタル”という方法があることはご存知ですか?
”改修”は工事を伴うため、大掛かりな導入方法となります。
一方、レンタルに関してはその場でさっと導入できるくらい簡易的な方法です。
ではいったい、実際の臨床でどのようにこれらを使い分けているのか記事にしてみたいと思います。
レンタルのメリットを中心に考えていきます。
”改修”と”レンタル”の制度に関して詳しくは以前の記事を参考にしてみてください。
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介護用品をレンタルする場合に知っておくと便利な知識。
今回は福祉用具のレンタルについてまとめます。 前回記事の住宅改修の記事を読んでからだと、より理解が深まるかと思いますので、リンクを貼っておきますね。 &nbs ...
さて、本文に入ります。
レンタルのメリットとして挙げる大きく5点あります。
交換ができる
これは本当に重宝です。
さすがに故意に故障・破損させたのものは別料金がかかりますが、レンタル品ですから"交換"ができるのはすごく便利です。
軋む、ガタがき始めてきた、合わない、使いづらい、ダサいなど、どんな理由でも交換が可能です。
気分転換に変える方もいらっしゃったくらいです 笑
また、介護保険を利用する方は、特にご高齢が多いので、正直、身体状況がいつ悪くなってもおかしくない状況にあります。
そんな時に購入品だと、身体の調子が悪くなる都度、購入し直さなければならないので、費用も場所も負担となります。
借家でも使える
持ち家のように自由に改修出来ない場合、手すりなどは"つがい"にしたり、貼り付けたりなどして、導入することができます。
レンタル品に関しては、基本的に家自体を傷つけることなく導入できる商品ですので、底抜けてしまうほどのおんぼろさでなければ、どんな家でも導入できます。
これは大丈夫かな・・・というお宅も中にはありましたが、レンタル業者さんの機転でそんな家でも導入できる用具や付属品を提案していただけたため、事なきを得ました。
そのため、ほとんどの家で導入できると考えられますので、「家は大丈夫かな・・・」と思ってしまった方は安心してくださいね。
人が住んでいれば、大丈夫です。
お試しができる
手すりなどの器具を導入する場合、改修するかレンタルするか選択することができます。
ただし、改修してしまうと容易に取り外すことができません。
ということは、利用者が居住しなくなった場合や、改修してみて、実は利用者にとってもご家族にとっても邪魔となってしまった場合などに対処できないのです。
そのため、一定期間、レンタルで導入が必要かどうかお試ししてから、改修に移る という例もありました。
比較的安価
高価格で高品質のものでも、レンタル料金であれば、比較的安価で利用できます。
購入した場合の額<レンタル期間で支払う額となるためには、10年以上使用しないといけないものが多いのです。
そんな期間があれば、その間に新しくて良いものがでている可能性が高いです。
また、その期間内には利用者の状態が悪くなり使用できなくなってしまった…なんてことも少なくない話です。
今現在、インターネットやホームセンターではアウトレットや中古品など格安商品として介護用品が売っています。
しかし、自分の身・家族の身を守るためのものですから、少しでも安心できるところから入手する方が良いと私は思います。
すぐ壊れて怪我してしまった・・・
こうなってしまえば、悲惨な話です。
身近な人が、こんなことにはなってほしくありません。
安心料・保障料も含まれてのレンタル料金と考えたら、格段にレンタルした方がお得です。
その他
・レンタル業者の方から用具について専門的なアドバイス等を受けることができるため、素人判断で生活に支障がでくらいなら、聞いておいて損は絶対にありません。
・レンタルのものは返却すれば良いので、購入品とは違い、いらなくなっても粗大ゴミで出さなくて良い。
・レンタル品は退院時に間に合うように手配してくれますし、そのせいで延期になることはほとんどありません。
・施設でもその場所によっては、レンタルが可能な場合があります。原則ダメとされていますが、入所施設の方の許可があれば借りることは可能です。各施設に問い合わせてみて下さい。
いかがでしたでしょうか?
レンタルって意外と魅力的な制度であることが伝わりましたでしょうか?
ここで本題です。
改修とレンタルの使い分けですが、厳密に決められていることはありません。
これは私の病院での方針ですが、基本レンタルを駆使して、それでもどうにもならなかった場合に改修を勧めるような流れを良くとります。
ただ、私の経験上、ほとんどの方がレンタルを利用して、事足りていることが多いです。
改修でしか行なえないこともありますが、レンタルで間に合う場合も少なくありません。
それでも改修を行なうケースとしては、
・畳など、家自体が古くなってきていて、ちょっとしたリフォームにちょうどいい機会だったケース
・利用者以外の方にも身体状況が同様の方が同居していて、その方にとってもメリットだから、リフォームを兼ねて改修を行なったというケース。
・予算に余裕があり行なったケース。
・レンタル制度の存在を知らずに、改修の話をどんどん進めてしまっていたケース。
もありました。
利用者だけでなく、そのご家族の方や介助者のことを一番に考え、色々なことを考慮して良い提案ができるといいですね。
色々レンタルができるからといって、導入しすぎるのも良くないことを招く恐れがあります。
適切なところに、適度な量のモノを揃えられるようにしてみてください。
最後に、
利用者ご本人、またはそのご家族の方は、どうしたらよいかわからないことだらけだと思います。
そんなときは、こまめに医療相談員(ソーシャルワーカー)やケアマネに相談しましょう。
必ず力になってくれますよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。