実習生さんがよく困ってしまう『患者様とのコミュニケーション』
実習中、指導者からのむちゃぶりの代表格。
「患者様となにか話してみる?」
男はフリートークが一番キツイ。
他愛もない話をすればよいって言われても、目的のない話が苦手な男子も多いですよね。
ほかにも、
「いきなり患者様と話すだなんて無理…」
「なに話していいのかわからない」
「指導者にだってまともに話せないのに、患者様と会話するだなんて余計に無理…」
そう思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はそんなコミュニケーションが苦手な学生さんに向けて、コミュニケーションで使われる"言葉"について考えておきたいことをまとめていきます。

実習生さんは"言葉"を上手く使いこなせていない。~”言葉”の今と昔~
指導者世代からすると、実習生さんは"言葉"を上手く使いこなせていない印象を持たれています。
コミュニケーションをする時の"道具"として真っ先に挙がる『言葉』
コミュニケーションを図る上ではとても重要なものですよね。
そんな『言葉』を現代人はうまく使いこなせてない…
と言われています。
それはなぜなのでしょう?
↓
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
その印象の根源となっているのが、文明の発展です。
メールやSNS、写真や動画などの文明の発展により、現代人は"言葉"によるコミュニケーションの頻度を低下させてきているのです。
コミュニケーションの方法として、
・バーバル・コミュニケーション:つまり、"言葉"を書く。"言葉"を読む。"言葉"を話す。"言葉"を聞く。といったことが挙げられます。
・ノン・バーバル・コミュニケーション:つまり、身振り手振りや表情、絵文字、写真などで表現される非言語的な方法も挙げられますよね。
これらの使い方が昔と比べて大きく変化してきています。
昔の人は、コミュニケーションの重きをバーバル・コミュニケーションに置いていました。
現代のような通信機器やコミュニケーションツールがなかったため、”言葉”を書いたり、読んだり、話したり、聞いたりする機会がたくさんありました。
例えば、短歌や俳句などの『言葉遊び』も盛んに行われ、いかに”言葉”で感情や風情を表現できるのかが教養の有無を決めていました。
一方で現代人は、コミュニケーションの重きをノン・バーバル・コミュニケーションに置くようになりました。
通信機器もコミュニケーションツールも発達し、言葉を直接交わさなくても気持ちを伝えることができるようになりました。
そのため実習生世代の方々は好き好んで”言葉”を話さなくても良くなってきているのです。
また、まどろっこしく"言葉"を使うよりも、スタンプ一つで言いたいことが伝わるため、受け入れがよいのでしょう。
そう言った意味では『略語』なんかはいい例かもしれません。
現代人は、いつもなにかがから追われているように急ぎ、なるべく端的にコミュニケーションを取ろうとしています。
リズム感やテンポばかりが重要視され、そこに美徳を感じるようになっています。
それは、現代人の多くは『言葉』を使う頻度が明らかに少なくなっているからです。
『言葉』を書く
『言葉』を読む
『言葉』を話す
『言葉』を聞くそして、特にこの中でも"『言葉』を話す"の頻度はとても少なくなっています。
ゲーム、インターネット、AI、、、
人と話す機会が極端に減ったからです— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
これらの違いから、現代人は”言葉”に触れる機会が昔と比べると減っていると考えられます。
なので、前回の記事にも通じることですが、実習生さんの頭の中の『思考のタンク』には、”言葉”が少ない、、、
つまり、話したくても”言葉”がうまく出てこないということにもつながるのです。
前回記事に関して詳しくは以下の記事をご覧下さい。
理学療法士と”言葉”の関係性とは?
そんな状態の実習生さんがフリートークをしようとしても、言葉につまるのも無理ないですよね。
”言葉”も足りない、増して、他人に見られ、かつ、それを評価されていると思うと、緊張しないはずがありません。
そんな状況でまともな会話なんてなかなかできないとは思います。
ただ、あなたが放り込まれているのは「実習」なので、そこも学んでいかなければなりません。
理学療法士は現状、個別療法が主なのですから、1対1で話す機会がたくさんあります。
これから理学療法士になるなら、避けては通れない道なのです。
そんな中、我々理学療法士は1対1で「人と話す」機会がたくさんあります。
学生さん、新人さんはただでさえ緊張しているなか、慣れてもないことをすることになるのです。
それはそれは苦手と感じることでしょう。
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
また、コミュニケーションは理学療法において重要な鍵を握っていることが少なくありません。
体だけでなく、心の傷を負った患者様の支えとなれるのはあなたの心です。
その心を表現するツールとして”言葉”は大変重要な役割を果たすからです。
あなたはそういう世界にこれから踏み入れるのです。
それなのに「コミュニケーションが苦手なんです~」と避けてばかりいると、臨床へ出てから痛い目に合うでしょう。
実習生さんができる”言葉”の貯め方について
ということで、学生さんは普段から”言葉”をたくさん貯めるようにしてみましょう。
方法はどんなものでも構いません。
読書したり、動画みたり、友達と遊んだり、、、
生産性のないゲームばかりではなく、少しでも”言葉”に触れる機会を増やすのです。
その中でも、人と話す機会を増やしていけると、会話スキルが自然と身に付きますからいいですよね。
患者様との会話がハードル高いのであるならば、まずは友達から。
友達との会話がハードル高いのであるならば、まずはSNSから。
もし、コミュニケーションが苦手だな…
と思っている人がいたら、ぜひ、「人と話す」機会を作ってください。最初はSNSでも構いません。
最終的には面と向かって話す機会を作りましょう。その時は表情、言葉選び、感情表現などたくさん意識すべきところがあると思います。
最初は大変かもね。
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
嬉しいことに、現代においてはコミュニケーションを図れるツールがたくさんあります。
それらをうまく活用して、”言葉”に触れていきましょう。
なるべく広い範囲で、いろいろな分野の”言葉”に触れておきましょう。
コミュニケーションはコミュニケーションを図ることでしか育まれませんから。
コミュニケーション能力は
コミュニケーションを取ることでしか
育たない。
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
そうした取り組みが、患者様との会話に必ずつながっていきます。
うまく”言葉”を使いこなせるように、練習(日常生活)に励んでみてね。
本番(実習)でその成果が現れることを祈っています。
※☝ここでは、あえて練習を日常生活、本番を実習としました。臨床家目線でいうと、本来なら実習が練習で、治療(日常生活)が本番ですからね。
だけど、その一つ一つの経験が必ず臨床に繋がります。
反応の一つ一つを患者様はよくみています。
"本番"に臨む前に"練習"してみてね。
まずは「人と話す」量をこなしてみよう。
自ずと質が高められるから。
頑張っていこうね。
p.s.私で良ければいつでも相手しますよ。
— 長谷川さん@PTスーパーバイザー (@PTsupervisor) December 27, 2019
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き『リハぶっく』をお楽しみください。